人道上の問題ではないのか
2016年7月15日
天皇陛下が生前退位を望んでいるとの報道がありました。早くも宮内庁関係者の一部には、「困った事態になる」と、逃げの姿勢のようなものが感じられます。天皇に対して失礼な言葉を許して頂けるとすると、これは人道上の問題です。込み入った議論、複雑な手続き、反対派に対する説得などが必要でしょう。宮内庁はもう逃げていけません。
報道で不思議に思ったのは、天皇はご自分の意向は数年前から、ごく少数の関係者に伝えていたそうです。「なに、数年も前からの話。関係者はその数年間、何をしていたのだろうか」ですね。恐らく、困惑する一方で、内輪であれこれ議論はするものの、頭を抱え結論を先延ばししてきたに違いありません。
NHKのスクープが飛び出したのは、参院選で自民党が圧勝し、安倍首相の1強体制がさらに強化され、改憲派が衆参両院で3分の2を獲得した直後です。他のマスコミ関係者も動きを感じ取っていたとの報道もあります。天皇退位に関する問題だけに、それだけでは報じることはしないでしょう。極めて有力な筋がリークした結果としか思えません。
安倍1強政権に期待をかけたか
有力筋のリークがあったすれば、「安倍政権なら何とかしてくれる」だろうとの期待からでしょう。最高権力者の周辺もやむおえないと判断したのかもしれません。事前了解の臭いもします。ちろん、微妙な問題ですから、以心伝心めいたやりとりに違いありません。やり取りが明るみになったら、それだけで問題が紛糾してしまいます。
天皇の政治的な発言は憲法で禁じられています。皇室典範の改正、天皇制の制度変更に関係してくるような発言、意向の表明もできないようですね。だからごく少数に限り、表現にも十分、気を遣いながら、希望を伝えたのでしょう。それを直接の関係者が責任を持って、天皇のお気持ちに沿おうとする努力を怠ってきたと、推察されます。
あまりにも長い間、宮内庁などの関係者が棚上げにするものだから、安倍政権の圧勝後に何かを期待して、NHKにリークしたという流れでしょう。報道後は、「多面的に議論を」、「政府は慎重に対応」、「静かな環境で議論深めたい」など、大して意味のない指摘がもっぱらです。
議論は簡潔に、結論を急げ
高齢の天皇がかなり無理を重ねられている様子をみると、議論を急ぐ必要があります。「女性宮家の創設の検討」、「皇室典範の広範な改正」など、どんどん議論を広げていくと、時間ばかりかかり、結論がでないまま、「生前退位」問題が自然消滅してしまうこともありえます。82歳という高齢、各地を訪ねる激務、強い責任感を思うと、皇后陛下とともに、早く楽になっていただくことが国民の務めでしょう。
生前退位された後、皇太子が天皇を継承する意向のようですね。皇太子と秋篠宮にはその意向が伝わっているとのことですね。週刊誌などが皇室内の不況和音をもう報じないよう、皇位継承問題にケリをつけ、すっきりさせたいと願っている皇室関係者は多いのではないですか。天皇の意向の裏側には、もう一つの強いお気持ちがあると、推測します。
「天皇は自らの地位について発言できない」、「いや、それをご存知のうえでのお気持ちだ」。さらに「将来、天皇の自由意思に基づかない退位の強制ありうる」、「天皇が恣意的に退位できるようになる」など、堂々めぐりの議論が際限なく続くことがないよう望みます。
後段は殆ど同意できますが、前半に異論反論です。
宮内庁が逃げの姿勢ととらえていますが、私は違う考えです。
天皇が何故に現人神から象徴天皇になったかの前提が抜け落ちていると感じるからです。
天皇が政治的な発言が許される時はその責任も負わねばならないと言う事です。
そのような事が無く、政治的に利用されることも無いようにしたのが象徴天皇です。
天皇自身の地位に関わる人道的な事であれ、天皇の意思で退位するor退位しないの意思を表すことは政治的な発言とるのです。
政治的に退位させられたりしないようにタガをはめているのです。
例え人道的な事であれです。
そもそも人道的な事と政治的な区別が政治利用されるときはあいまいになります。
なので、天皇の人道的な事であれ、「陛下は退位の発言はしていません」と宮内庁は否定したのです。
誰でも、その否定は形だけだとわかっている事です。
多分、私の論理より一般の方には中村さんの論理の方が理解しやすいかも。
次のロシアの件についても後日異論反論を述べさせていただきます。
何時になるかわかりませんが。
こんばんは。私は主さんの揚げ足を取るつもりは有りませんが、上の書き込みがちょっと気になりました。そもそも日本の皇室は「血の継承」を目的としてきたはずです。だからこそ男系に拘る訳です。欧州と英国は「資産の継承」ですから、血には拘りません。
それだけ伝えたくて書きました。宜しくお願いします。