方向転換が始まった日ロ交渉
2016年12月16日
安倍首相の郷里山口県にプーチン露大統領を迎えて行った首脳会談は、予想通りの結果になりました。初日の会談内容の説明もあっさりしており、「北方4島は日本に返還しないよ」と言われたのに等しいとの印象を受けます。首相の当初の期待が甘かったのか、失敗しても大統領を招待したほうが政治的な得点になると考えたのか。その双方でしょう。
これから何度、ロシアを揺さぶっても、こちらの足元をじっと見るだけでしょう。日本固有の領土ですから、いつまでも返還要求の旗は降ろさず、つまり棚上げ状態にしたまま、交渉の方向転換を図るべきでしょう。実態として、すでに方向転換は始まっていると思います。メディアも、国民に受ける4島問題ばかりに焦点を合わせず、視野を広げるべきです。
どちらの方向かといえば、極東における日ロの経済関係を注意深く強化し、軍事的な膨張を続ける中国、暴発しかねない北朝鮮への防波堤にすることです。その点については、両首脳は双方にメリットがあると、分かりあっていると思います。中国や北朝鮮が嫌がる路線を選ぶのが賢明でしょう。
言いたい放題のプーチン氏
訪日直前に日本の新聞のインタビューに応じ、日ロ関係に対する大統領の思いを語りました。これを読めば、首脳会談などしなくても、すべて分かると、言わんばかりの詳細な内容です。日本が返還の拠り所とする60年前の日ソ共同宣言について、「北方4島の帰属は共同宣言の枠を超えている」との主張を繰り返しました。要するに返還は約束なんかしていないよ、の意味でしょう。
さらに今回、到着時間が2時間40分も遅れ、ロシア側は「重要な案件があった」とかいっています。わざと遅刻することで言外に何かを示唆したかったのでしょう。首脳との会談に遅刻する常習犯で、自分のほうが上位に位置すると威張りたい同情すべき人物です。あるいはロシアの時計がみな、何時間が狂ってしまっているのかもしれません。
日ロ経済関係を強化するといっても、そんなロシアが相手ですから、用心は必要です。ウクライナに対する天然ガスの供給を止めたり、対ソ制裁の頃、欧州に対してはガス供給を交渉の武器にしようとしていました。資源の共同開発ならともかく、送電線を日本に引いたりすると、関係強化が日本の弱みになりかねません。
墓穴を掘る共同経済活動
シベリア開発と並んで、4島における共同経済活動がテーマになっています。どちらに主権を認めるか、どちらの法律を適用するかに加え、そんな計画を進めたら、ますます4島の返還は非現実的となります。水産加工、医療、環境、観光などの充実を図れば、4島の1万7千人の定住ロシア人にとって住みやすい地域となります。地域が整備されると、さらに4島を手放したくなくなるでしょう。
日本にとっては、4島は墓参、漁業権、水産加工などを除けば、経済価値は大してありません。他方、ロシアにとっては特に軍事、安全保障面からの戦略的な価値が増してきました。専門家の解説では、「北極防衛に北方領を重視。国後、択捉の軍事的価値は高い」(兵頭慎治氏)です。
さらに「4島は日米安保条約の対象地域になるのか。米軍基地を置く可能性はあるのか」に、ロシアは関心を示しているそうです。また、かりに将来、北方領が返還されるとき、すでに存在するロシアの軍事基地をどうするのか、という難題もあります。領土返還をめぐる政治、軍事的な環境は日本にとって厳しくなっています。
新聞の論調の大筋は、「領土交渉の進展に見合うように」、「経済協力で食い逃げされないように」というところでしょう。実際は、領土交渉は実質的に方向転換が始まっていると考えるべきでしょう。
実効支配している現政権に対して、過去がどうしたかは無意味です。
領土の根本的解決において、対決するのか、経済的直接支援で妥協融和待つか、西アジアを経済的、軍事的支援して嫌がらせをするなり、海上打撃力及び再上陸能力強化等し実力を養うなり、と方向と射程を鑑みて外交しないとね。明治政府みたいにさ。
実効支配している現政権に対して、過去がどうしたかは無意味です。
領土の根本的解決において、対決するのか、経済的直接支援で妥協融和待つか、西アジアを経済的、軍事的支援して嫌がらせをするなり、海上打撃力及び再上陸能力強化等し実力を養うなり、と方向と射程を鑑みて外交しないとね。明治政府みたいにさ。
私の父は、(旧)ソ連のやり方は汚い、信用しない。
と、毎日のように言ってました。
ゾルゲの名前にも、嫌悪をしめしてました。
日本の運命を変えた国、人物たちのせいで
親代わりに可愛がっていた、
たった一人の弟を戦死させられた。と
晩年も頭がしっかりしてましたので
亡くなるまで ずっと言い続けていました。
高校(とは当時は言わなかったそうですね)野球も参加した
とも言ってましたが 写真がなくて残念です。
唯一の写真は馬上の凛々しい軍服姿の遺影だけで
父がよく、じっと眺めていたのを思い出します。
【考えの異なる読者さま】
私のこの投稿についての厳しいカキコミは
ご容赦くださるようお願いします。
また、ロスチャイルドのほかメディア王マードックも石油権益に関わっているはずです。
トランプはクレバーだ、イスラム教には手を出すな、手を出せば国が亡びる。そう思っていると思う。プーチンはシリアのアレッポを奪還した。これでシリアは、少しはアサド政権が安定するかもしれない。しかし、次はイスラエルとの間に挟まれた、ゴラン高原が危険地帯になるかもしれない。ゴラン高原には大量の原油埋蔵が確認されている。エルドアンもプーチンも手を引くとは思えない。すでにエルドアンはロスチャイルドと契約を済ましているらしい。シリア紛争はロスチャイルドが裏で暗躍して、分割国家になることを企んでいたらしい。聖書の予言では、中東に南下したロシア軍が亡びるらしいが、それに反して勝利を得ても、次は民族紛争、次は宗教紛争・・・惨い言い方だが、日本政府は、プーチンに尻尾振って待つより、黙って見守って待った方が、確実なのではないのでしょうか。