中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

人材育成に役立つ情報を発信しています。

再教育を行うにあたって必要なこと

2018年01月14日 | コンサルティング

「仕事が忙しいので、1日日程の研修は止めて欲しい。せめて半日くらいにしてもらえると助かるのですが」

これは、弊社が企業の研修を担当させていただいた際に、終了時の受講者アンケートに書かれることが多い内容の1つです。

受講者にとっては、たとえ一日(7時間前後)の研修時間であっても仕事への影響が心配のようです。その結果、「もっと時間を短縮して欲しい」という感想につながっています。

研修を行う立場としては、研修の案内は事前に届いているはずなのですから、1日ほどの研修であれば事前にきちんと段取りをして、仕事の調整をして出席していただきたいと考えます。

さらに、上司をはじめ周囲の人たちも受講者をフォローしていただき、最善の状態で送り出してほしいと思うのですが、どうやら現実はこれとは異なる状況のようです。

先日(1月11日)、日経新聞に「日本企業の社員の再教育やスキルアップの支援は、諸外国33か国の中で最下位」との記事が載っていました。日本の労働者がスキルアップが必要と回答した割合は8割を超えて、世界平均の7割より高いのにも関わらず、労働者が勤務先から費用負担の支援を受けて研修などを受けているのは41.2%と、諸外国平均の66%を大きく下回っています。

さらに支援における男女の差も、他の国と比べると日本は差が大きいとのことで、日本が目指している女性が活躍する社会にはほど遠いのが現実のようです。

記事の中では同時に、国が重要な政策課題としている「人づくり革命」の前進に向け、今年は再教育の重要性がますます叫ばれていくとされています。

しかし、せっかく企業が社員再教育の場を提供する仕組みを作ったとしても、研修等に出席する当の社員が仕事のことが気になって研修に集中できなかったり、研修後に自分の机に戻ると仕事が山積みになっていたりしたのでは、研修効果どころの話ではなくなってしまいます。

今後、諸外国に追いつくことをめざして社員の再教育の場の整備に本格的に力を入れていくのであれば、大前提として研修に出てきたら仕事のことを気にせずに集中して研修に取り組める体制が必要です。さらに、女性社員にも男性社員と同等の場を設けることなどの体制を整えることも重要です。

そのためには制度をつくるだけでなく、運用についてもこれまで以上に重視して、社員再教育がきちんと実を結べる体制を作っていただきたいです。

人材育成のホームページ