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もし~だったら、〇〇だろう

2018年08月01日 | コンサルティング

「アイディアが浮かばない・・」、「解決策が考えられない・・・」

問題発見・課題解決研修を担当させていただくと、グループ討議の途中で受講者からこうした言葉が頻繁に発せられます。

確かに、泉が湧くように次々とアイディアが思い浮かぶという人はそうそういるものではないと思います。ですから、問題の解決策を考えるのは簡単なことではないと生の声を聴くたびに感じます。

そもそも、解決策が簡単に浮かぶような問題であればすぐに解決できるわけです。逆に言うと、問題が複雑で深刻であればあるほど、解決策を考えるのは難しくなっていくわけです。

産業能率大学の調査(課長に関する実態調査2018年1月)でも、管理者が部下に対して不足していると感じる上位3点は、「新しいアイディアを生み出す力」、「課題を明確にする力」、「問題を把握する力」だったそうで、調査結果は、まさに研修の現場で聴く生の声と一致しています。

話は変わりますが、先日(7月8日)放送されたNHK大河ドラマ「西郷どん」スペシャルの第二弾では、今後ドラマ内で活躍する主要人物の生きざまを紹介していました。

その中で、街頭インタビューによるアンケートの結果、知名度ナンバー3だったのは岩倉具視でした。40代後半以上の人であれば、500円札の肖像が懐かしく感じることと思います。

番組で紹介されたところによると、岩倉具視は公家で朝廷の一員だったそうですが、その身分はかなり低かったそうです。それでも最終的には天皇の側近にまで上り詰めることができたのです。そこまでいくことができたのは、彼にはものすごく知恵があり、それを武器としていたからなのだそうです。

たとえば、天皇家の和宮と将軍家の家茂の結婚を画策したのは岩倉だったそうです。それまでの歴史を考えれば、天皇家と将軍家の結婚を考えるというは、当時としてはきわめて斬新なアイディアだったのでしょう。

岩倉は5年間の蟄居も経験したようですが、そういうときであっても政治の熱は衰えず、これだという人には意見書を送り続けました。日本のあり方を夢想し続けたとのことで、こうしたときにこそ着々と「知恵」という武器に磨きをかけていたのではないでしょうか。

番組に出演していた歴史学者の磯田道史さんによると、岩倉のキーワードは「ヤモリ」だそうです。一見ひ弱そうなヤモリですが、中には暗闇でもモノを見分けられる能力を持つものもいて、実は優れた能力の持ち主なのだそうです。岩倉は混とんとした情勢の中、ヤモリのように幕府の倒し方を見抜き、そして死に物狂いで実行したのです。

磯田さんはさらに続けて、岩倉具視は「反実仮想力」がすごかったともおっしゃっています。「反実仮想力」とは、「もし~だったら、○○だろう」というように考えることです。岩倉は絶えず頭の中で反実仮想をして、前述の知恵を生かして新たな時代を切り開く原動力の一人となったのでしょう。

私たちも、岩倉ほどではないまでも、ビジネスにおいて問題や課題を解決する際に、ちょっとだけ「もし~だったら、○○だろう」とイメージしたり、妄想したりすることで、案外よいアイディアが浮かぶのではないでしょうか。

実は私もこのブログのテーマをどうするか、アイディアが浮かばずに困ることが結構あります。そんなときは少しは岩倉具視のまねをして知恵を働かせてみることにします。

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