共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

可愛いらしいけれど…

2014年04月24日 16時10分30秒 | 日記
今日もお昼前からグングンと気温が上がり、初夏を思わせるような日和になりました。それでも吹く風は爽やかで心地よく、外を歩いているとウキウキしてきます。

私は普段、不衛生さを理由に出来る限り外でものを食べないようにしているのですが、こういう爽やかな風の吹き渡る日には何だか普段しないことをしたくなるもので、珍しくバスセンター隣のAEONの中にあるパン屋さんでパンを幾つか買って、近くの公園でブランチをすることにしました。

公園に着いて誰もいないベンチに腰掛けて、傍らにある花壇に植えられた色とりどりの花を眺めながら、買ってきたパンを広げて食べていました。先週二宮町で牡丹を見かけてからというもの、世は正に百花繚乱、行く先々で様々な花を見ることができます。

公園のフェンスの近くにも、御覧のようにオレンジ色の可愛いらしいポピーの花が…と思いがちですが、実はこれはちょっと曲者の植物なのです。始めは私も知らなかったのですが、これはナガミヒナゲシといって、地中海沿岸が原産の外来植物です。

始めは鑑賞用として日本に入ってきたようですが、こうした野草の状態で日本で初めて見つかったのは1961年、東京・世田谷近辺だったということですから、もう50年以上も昔のことです。今では恐らく、日本国内の至るところで見かけるような、珍しい花ではなくなっているのではないでしょうか。

始めのうちは特に問題視されてはいなかったようなのですが、徐々に日本のスミレ等の固有種を脅かす存在として認知されるようになり、環境省からも『要注意外来植物』の一つとして位置付けられるに至りました。

このナガミヒナゲシに限らず、いわゆる『特定外来生物』というものは、誰かが人為的に持ち込んで、尚且つ責任を放棄してしまったがために、天敵のいない日本の中で着々と殖え続けてしまったものが殆どです。琵琶湖で問題になっているブラックバスも、印旛沼に繁殖しているカミツキガメも、一部の勝手な人間の仕業によって放たれ、固有種を駆逐する勢いで繁殖してしまっています。

生き物に罪はない…と言う人もいますが、本来生息していないものが人為的に輸入された上で、結果的に固有種を滅亡に追いやっていくことは、どこかで食い止めていかなければならないでしょう。それでもその『特定外来生物』と呼ばれる生き物に罪はないのだと言うのであれば、それらに生息域を脅かされてしまっている生き物には、まして罪はありません。

こういう植物を処分するには、根ごと引き抜いてビニール袋等に入れて枯らした上で、焼却ゴミに出すことが一番効果的だそうです。ある程度高温で焼き尽くしてしまわないと種が残ってしまうので、絶対に自宅の庭先では焼却しないように…とのことでした。もし御自宅のお庭に生えてしまったら、日本の固有種を守るためにも迷わず引き抜いた上で焼却ゴミへ出しましょう。
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