今日は今年の冬一番の冷え込みとなりました。神奈川県でも最高気温が10℃に届かず、寒さに強いと豪語する私ですら
『寒い…!』
と思ったくらいでしたから…。
ところで、職場の音楽教室に
今年も《かながわ音楽コンクール》の出場者募集のポスターが貼り出されていました。毎年これくらいの時期になると、このポスターが教室の壁に登場します。
はじめは、何の気無しにこのポスターを見ていました。ところが、見ているうちに何だか
『何かがおかしい…』
という言い知れない違和感を感じてきたのです。
そして眺めること暫し、遂に違和感の正体をつきとめました(大袈裟な…)。ポスター上部にはコンクールで募集しているピアノとヴァイオリンとフルートを図案化したものが描かれていますが、そのヴァイオリンに相当する絵がどう見てもヴァイオリンに見えないのです。
この図案は恐らくヴァイオリンのつもり描かれているのでしょうが、このボディの撫で肩のフォルム、そしてボディにあけられたCの字型のトーンホール…そう、これは最早ヴァイオリンではなく
古楽器ヴィオラ・ダ・ガンバのフォルムではありませんか!
思わず仰け反ると同時に
『も、もしかしたらかなコンにヴィオラ・ダ・ガンバ部門も新たに創設されたのか?!』
とポスターをしげしげと見てみたのですが、当然ながらそんなものはありません。やはり、これはヴァイオリンを図案化したもののつもりのようです。
残念ながらヴィオラ・ダ・ガンバとヴァイオリンとでは、フォルムに決定的な違いがあります。
左がヴィオラ・ダ・ガンバ、右がヴァイオリンてすが、ヴィオラ・ダ・ガンバはボディが撫で肩でC字型のトーンホールがあけられているのに対して、ヴァイオリンはボディの肩が張っていてf字型のトーンホールがあけられています。弦の本数に関しては、ヴィオラ・ダ・ガンバは6弦ないし7弦なのに対してヴァイオリンは4弦です。
そういったことを踏まえて改めてポスターを見てみると…
トーンホールやボディのフォルムはヴィオラ・ダ・ガンバながら弦の本数はヴァイオリンという、何ともハイブリッドな楽器が描かれていることになっているのです。こうした点を総合してみるに、恐らくこのポスターのデザイナーは楽器をあまり知らないか、きちんと観察せずにデザイン化したかのいずれかの可能性が高いと思われます。
クラシック音楽のコンクール事務局の人間がヴァイオリンのフォルムを知らないということは考えにくいので、いくら考えてみてもどうしてこんなことになってしまったのか皆目見当もつきません。ある程度名のあるコンクールなのに、そのポスターを製作するにあたってデザインの校正する人は誰もいなかったのでしょうか…。