今日から小田原の小学校での新たな年度が始まりました。
前年度までおられた支援級の担任の先生がゴッソリいなくなってしまったこともあって、一体どうなるのかと心配しながら出勤しました。教室に入ってみるとレイアウトほぼまるごと変わっていて、クラス割も大きく変わっていました。6年生が卒業したり、新1年生が新たに入学してきたりしましたから、当然と言えば当然の措置です。
今年度の支援級は、前年度から継続される先生はお一人だけで、あとは昨年度一般級を担当されていた先生や新任の先生での船出となりました。特に新1年生が多く在籍することとなるクラスは支援級未経験の新任の先生が担当されることとなっていて、何とも不安そうにされていました。
とにかく全てがガラガラポン状態で、私も含めて全ての学習支援員がどこのクラスのどの子の支援をするのか全く決まらないまま見切り発車のように授業がスタートしました。
私は、今日はとりあえず未経験新任の先生のクラスの支援に入りました。その中の4年生の子の国語の授業で、草野心平の詩『春のうた』を音読させることになりました。
昔から国語の教科書に掲載された作品なので御存知の方も多いかと思いますが、その詩の中に『いぬのふぐり』が出てきます。一通り読んでもらったあとに
「この『いぬのふぐり』って何だか分かる?」
と聞いてみました。すると、ほぼ当然のように
「知らない。」
という、けんもほろろな応えが…。
そこで、
「よっしゃ!じゃあ外に見に行こう!」
と、先生の許可を頂いて外に出てみました。
外履きを履いて中庭に出て花壇のところに連れていき
「ほら、これだよ。」
と指差すと、花壇の空いたスペースいっぱいに
目にも鮮やかな青色のオオイヌノフグリが風にそよいでいました。それを見た子どもが
「あぁ!これ知ってる!」
とビックリした様子でしたが、よくよく観察させて、今さっき自分が音読した詩に出てきた春の花を実感ないしてもらいました。
話はちょっと飛びますが、黒柳徹子が書いた《窓ぎわのトットちゃん》という本を読んだことがあるでしょうか。あの本は、通常の小学校に適合出来なかったトットちゃん(黒柳徹子)が転校したトモエ学園という学校での様子を描いたものですが、そこに書かれていた授業の進め方がとてもユニークでした。
話はちょっと飛びますが、黒柳徹子が書いた《窓ぎわのトットちゃん》という本を読んだことがあるでしょうか。あの本は、通常の小学校に適合出来なかったトットちゃん(黒柳徹子)が転校したトモエ学園という学校での様子を描いたものですが、そこに書かれていた授業の進め方がとてもユニークでした。
トモエ学園では、先生が黒板にその日やるべきことを全て板書して
「さあ、どれでも好きなものから始めてください。」
と言って始まります。そして子どもたちは、それぞれ本当に好きな教科から勉強を始めるのです。
書き取りをしている子の横でアルコールランプに火をつけてフラスコをブクブクさせる子がいたり、更にその横では歌を歌う子がいたり…とにかくそれぞれの得意分野からとりかかって、苦手な科目もキチンと終わらせます。そして午前中に頑張って全ての課題を終わらせると、午後からは散歩に出かけます。
散歩に出た先で、例えば花が咲いていたら種をつけるための雄蕊と雌蕊の話になったり、雲が浮かんでいればお天気の話になったり、学校の近くにあった九品仏のお寺に行けばお寺ができた由来の話になったり…その全てが知らずしらずのうちに理科や社会の授業にもなっていました。そうした学習法を確立した小林宗作学校長の姿勢や取り組みには共感する部分が多く、できれば支援級の子どもたちにそうした体験をさせてあげられたらな…とも思っていました。
今日、教科書に載っていた花を実際に目で見てもらうことで、子どもの心に何かしら残るものがあれば何よりだと思っています。この先の支援級運営がどうなるか分かりませんが、個人的にはこうした取り組みを少しずつでもいいからやっていくつもりです。