共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

阿夫利神社de新嘗祭、からの大山寺圧巻の紅葉

2021年11月23日 18時18分18秒 | 神社仏閣
今日は新嘗祭です。決して勤労感謝の日などという、よく分からない旗日ではありません(笑)。

例年新嘗祭は相模國一之宮である寒川神社に参詣していました。しかし、今年は久しぶりに関東綜鎮護である大山阿夫利神社に参詣してみることにしました。

朝早くに小田急線で伊勢原駅に向かい、そこからシャトルバスに乗って一路大山ケーブルカー乗り場を目指しました。バス停からケーブルカー乗り場までは『こま参道』と呼ばれる、なかなか急角度の362段の石段の参道を進みます。

山の中腹ということもあって辺りの空気はヒンヤリしていて、訪れた人たちもダウンジャケットやセーターを着込んでいました。しかしこの参道の階段がなかなかの強敵で、階段を登りきってケーブルカーのチケット売り場に到着する頃には、殆どの人たちが厚い上着を手に持ったり腕まくりしたりしていました。

列に並んでしばらく待った後にケーブルカーに乗り込み、先ずは頂上の阿夫利神社下社を目指しました。阿夫利神社駅に近づくにつれてどんどん雲が迫ってきて、駅を出ると



周囲の山々も雲に包まれ、幻想的な光景が広がっていました。

鳥居に向かう石段の周りは



正に綾錦の如くの紅葉が連なり、訪れた人たちが盛んに写真や動画を撮影していました。そんな紅葉を左右に眺めながら石段を登ると



銅製の大きな鳥居が見えてきます。その奥に続く拝殿への列に並んで



裏手に雲の迫る拝殿へと進み参拝しました。



拝殿前に飾られた色とりどりの菊の花を眺めていたら、横にある参集殿の中から



巫女に先導されて新嘗祭を執り行う神職が出てきました。彼らは拝殿に向かう前に



鳥居のすぐ横にある結界の張られた真榊の木に向かって祝詞を奏上し、それから



拝殿へと進んでいきました。

やがて、新嘗祭の開始を告げる荘重な太鼓の音が響き渡ると神職が本殿に続く階を登って行き



本殿の扉を開け放ちました。そして厳かな雅楽が流れる中、



巫女や神職によって御簾の前に神酒や神饌が次々と供えられていき、



神前に祝詞が奏上されて新嘗祭が恙無く挙行されました。

相模湾からも仰ぎ見ることのできる大山に鎮座する大山阿夫利神社は江島神社と対に考えられていて、大山に詣でたなら江の島にも詣でねば『片参り』になると言われています。それを象徴するかのように阿夫利神社下社の鳥居からは



遥か相模湾に浮かぶ江の島を眺めることができます(写真中央)。

大山阿夫利神社は標高の高い場所でもあることから、境内のあちこちの木々は



御覧のように見事に色づいていました。ふと気づくと周囲の山にかかっていた雲も少しずつ空へと上がっていき、晴れ間も覗き始めていました。

しばらく阿夫利神社の境内で紅葉を堪能した後、再びケーブルカーに乗り込んで一駅下の大山寺に向かいました。このお寺の本堂へと登る石段の両側にはイロハモミジの木が植えられていて、



御覧のように参道を紅く包み込みます。



石段を登り降りする参詣者たちは歓声を上げながら上を見上げ、思い思いに写真を撮影していました。中には撮影に夢中になり過ぎて、濡れた落ち葉に足を取られて危うく滑り落ちそうになる人もいて、他人事ながらヒヤヒヤさせられました(汗)。

それにしてもこの石段の紅葉は実に見事で







どこを切り取っても絵になります。ともするとこうした参道には春の桜の木を植えがちですが、秋の紅葉を植えることを決めた人物は先見の明があったといえるかも知れません。

鮮やかな紅葉を堪能しながら石段を登りきると



大山寺の本堂が見えてきます。ここから登ってきた石段を見下ろすと



雨に散った紅葉の葉が敷き詰められた石段と、それを覆うようにして左右からのびる紅葉の枝が広がる圧巻の光景が見られます。

千葉の成田山、東京の高尾山と共に関東三大不動のひとつに数えられる大山の鉄(くろがね)不動尊を参拝してから本堂を出ると、こちらの境内も



本堂横の青銅製の宝篋印塔や



鐘楼付近で見事な紅葉を堪能することができました。それから本堂に向かい合うように立っている石造の不動明王立像のところまで移動して



本堂と参道の紅葉の遠景も撮影してきました。

昨年はコロナ禍でこうした近距離の旅も儘なりませんでしたが、今日は2年越しの大山の紅葉を存分に堪能することができました。来年にはマスク無しで参詣できるようになっていればいいのですが、さて一体どうなりますやら…。


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