昨日緊急手術した伯母が、ようやく全身麻酔から目覚めました。本来なら入院患者の面会は1名に限定されているのですが、病院と従姉からの計らいで特別にお見舞いさせてもらいました。
防護服とマスクを装置して病室に入ると、点滴に繋がれた伯母が横になっていました。話が出来る状態だったので聞いてみると、伯母は転んだ瞬間からの記憶は全く無いとのことでした。
そこで、こうなった経緯をかいつまんで話し、一緒におられたご近所の方も心配していることを伝えました(親族以外の面会は禁止されていて、お見舞いに来られなかったので)。すると伯母は
「私が勝手に転んじゃっただけなのに、いろんな人に迷惑かけちゃったのね。申し訳ないわ。」
と返してきました。横で従姉が
「だいたいこの暑いのに帽子も被らないで出かけたお母さんがいけないんでしょ!」
と怒っていましたが、今はそんなことを咎めている場合ではないので何とか落ち着いてもらいました。
しばらくすると医師が病室に来て、これからのことやリハビリのことについて本人と従姉に説明していきました。その説明を黙って聞いていた伯母でしたが、医師が退室してから一言
「○○さん(通報してくださった方)と鷺草を観に行こうって言ってたんだけど…無理だわね。」
とポツリと呟いていました。何でも世田谷の浄眞寺、通称九品仏の鷺草を観に行くことを楽しみにしていたようなのです。
例年だと鷺草は7月から9月初頭まで咲いているのですが、今年は梅雨が長かったこともあってか浄眞寺での開花が通常より遅れているとのことで、近々それを観に行く予定を立てていたようでした。しかし、残念ながらそれどころではなくなってしまったのです。
何はさておき、先ずは治療とリハビリに専念することが最優先となりました。本人は
「とにかく寝たきり老人にはなりたくない。一人でもちゃんと生活が出来るようにリハビリにも取り組む。」
という意気込みを表明していたので、何とかなるかも知れません。それまでは従姉が病院に通うそうですが、さすがに関西との往復も大変でしょうから、私に出来る範囲でのことがあれば協力するつもりです。
今は
「とにかく少しずつでいいから元気になって、来年の夏には鷺草を観に行けるようになろうね。」
を合言葉に、無理の無い範囲でリハビリに取り組んでもらおうと思います。