今日は小学校勤務が1年生以外の全学年で5時間授業だったので、いつもよりも早くに終わりました。なので、退勤してからちょっと寄り道して小田原城址公園まで行ってみました。
小田原城の南堀の畔に、俗に『御感の藤』と呼ばれている藤の棚があります。例年だとゴールデンウィーク前後が見頃なのですが、今年はいつもよりも開花が早いとの情報を得たので観に来てみました。
藤棚に到着すると
御覧のように見事に藤の花が咲いていました。丁度今が満開のようで、
棚から溢れる花房も実に美しいものです。
この見事な藤は、かつて小田原藩主大久保氏が二の丸御殿で愛蔵していた鉢植えの藤を、明治時代に現在の小田原市浜町にあった西村家が譲り受けて育てていたものです。その後、大正期にこの小田原城南堀の地に移植されました。
『御感の藤』と呼ばれる由縁は、明治期に皇太子殿下明宮嘉仁親王(はるのみやよしひとしんのう、後の大正天皇)が小田原の御用邸に滞在された折、馬に乗って行幸されている最中にその馬が西村家付近に差し掛かったところ突然お召の馬が走り出し、近くにあったこの藤の花の棚の中に駆け込んで御召物に花弁が降りかかってしまったことにあります。御召物を汚してしまったことに居合わせた一同が恐縮している中、当の嘉仁親王殿下が
「見事な藤に、心ないことよ。」
と感嘆の御言葉を述べられたことから『御感の藤』と呼ばれ、今日に伝えられています。
夕方の赤みを帯びた光を受けて
紫色の花房が一段と美しく照り映える様は圧巻です。これほど見事な藤棚ですか、実は
たった2本の幹から成っていることを見ると、樹齢200有余年の藤の圧倒的な生命力に驚嘆させられます。
紫色の花房が一段と美しく照り映える様は圧巻です。これほど見事な藤棚ですか、実は
たった2本の幹から成っていることを見ると、樹齢200有余年の藤の圧倒的な生命力に驚嘆させられます。
今年は去年までは無かった防鳥網が全体にかけられてしまって、遠目から見ようとするとかなり興醒めな感じになってしまっています。それでも、一旦藤棚の中に入って見上げてみれば、その無粋さは殆ど感じません。
今年は、もしかしたらゴールデンウィークにはだいぶピークを過ぎて散りかけてしまっているかも知れません。なので、御覧になりたい方はこの週末くらいにお出かけになってみては如何でしょうか。