昨日に引き続き今日も生憎の空模様で、陽が差さないこともあってか昨日からちょっと肌寒いくらいの気温が続きました。時折雨も強く降ったりしていて、窓から外を見ていると強まった雨に打たれながら逃げ惑うように足早に歩く人の姿も見受けられました。
昨日大雨の中を靖國神社へ参詣した疲れからか、今日の午前中は何だかボンヤリと過ごしてしまいました。午後になってから練習を始めてみたりしたのですが、気圧のせいか今ひとつテンションが上がりません。
こういう時にはブログネタにも困ります。ということで、こんな時には久しぶりの自筆譜シリーズで誤魔化そうと思います(オイ…)。
今回お世話になるのは、フランスの作曲家ガブリエル・フォーレ(1845〜1924)です。
フォーレはフランス南部のアリエージュ県パミエで教師だった父の元に5男1女の末っ子として生まれ、幼い頃から教会のリードオルガンに触れるうちに天性の楽才を見出されました。9歳のときに入学したパリのニーデルメイエール古典宗教音楽学校では、当時教師としてやってきていたカミーユ・サン=サーンス(1835〜1921)にピアノと作曲とを師事しています。
卒業後にはパリのマドレーヌ教会のオルガニストとなり、その後マドレーヌ教会の首席ピアニストにも任じられました。またフランス国立音楽演劇学校の教授にもなり、1871年にはサン=サーンスやセザール・フランク(1822〜1890)らと共にフランス国民音楽協会の設立にも参加しています。
フォーレの代表作といえば何と言っても、父親の死後に作曲された《レクイエム》です。5大レクイエムにも数えられているこの一曲故に宗教音楽の大家のような認識もされていますが、他にも管弦楽や声楽を含んだ大規模作品としてオペラ《ペネロープ》や《ペレアスとメリザンド》《マスクとベルガマスク》などがあります。
ただ、フォーレはむしろ小規模編成の楽曲を好んでいたこともあって室内楽作品に名作が多く、それぞれニ曲ずつのピアノ四重奏曲や五重奏曲、一曲ずつのピアノ三重奏曲や弦楽四重奏曲、ヴァイオリンソナタやチェロソナタもあります。また、ピアノ曲にも《舟歌》《夜想曲》《即興曲》などといった名曲を数多く遺しています。

これです。これはピアノのための《舟歌第11番 ト短調 Op.105》の冒頭部ですが、素早い筆致で書かれていることが分かります。