共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

秋の宵にモーツァルト《グラン・パルティータ》を

2020年10月12日 18時40分06秒 | 音楽
今日から小学校の後期日程がスタートしました。夏休み明けなどと違って普通に週末を挟んだだけでしたので、子どもたちも改まった感じもなくスムーズな滑り出しとなりました。

今日も午前中授業だったので、いつもよりかなり早く帰宅しました。それで折角時間があるからと、久しく聴いていなかったCDを引っぱり出しまして聴いてみることにしました。今日聴くのはモーツァルトのセレナード第10番、通称《グラン・パルティータ》です。

我が家にあるのは



伝説のリコーダー奏者フランス・ブリュッヘン指揮、18世紀オーケストラ管楽セクションによる演奏です。

この《グラン・パルティータ》というタイトルはモーツァルト自身がつけたものではなく、後に何者かの手によってスコアに書き足されたものであることが分かっています。作曲の詳しい経緯はよく分かっていませんが、恐らく1780年頃にミュンヘン滞在時に着手され、翌年3月にウィーンに移住して間もなく完成されたのではと言われています。少なくとも1784年3月23日に、ウィーンのブルク劇場でモーツァルトの友人のクラリネット奏者アントン・シュタードラー主催の慈善演奏会で演奏された記録は残っています。

編成は当時としてはかなり大がかりで、オーボエ✕2、クラリネット✕2、バセットホルン(テナー音域のクラリネット属楽器)✕2、ファゴット✕2、ホルン✕4(!)、コントラバス✕1、計13名を要します。コントラバス以外は全て管楽器なので、かなり吹奏楽的な響きが特徴です。

モーツァルトがホルンを4本も使ったのはこの曲の他にはオペラ《イドメネオ》や、映画『アマデウス』のタイトル音楽にもなった交響曲第25番ト短調等、数えるほどしかありません。また、当時としては新しい楽器だったクラリネットやその仲間のバセットホルンを使っているあたりも珍しい点です(モーツァルトは後に、自身の遺作となったレクイエムでバセットホルンを使っています)。

CDはライブ録音ですが、同じ演奏者たちによる動画があるので転載しました。今日見かけるのとはちょっと違う、古典的オリジナル楽器での名演をお楽しみください。

ただ、総演奏時間が50分以上ありますので、それを考慮した上で時間に余裕をもって御覧ください(汗)。



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