共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

第69回墨田区交響楽団定期演奏会

2023年07月09日 16時50分16秒 | 音楽
今日は墨田区交響楽団定期演奏会の本番の日です。ということで、



会場である『すみだトリフォニーホール』にやって来ました。

午前中には、本番前最後のステージリハーサルがありました。当たり前のことですが練習所とホールでは音の響きや聴こえ方が全く違うので、そのあたりを気にしながらの最終調整となります。

因みに、楽器を演奏されない方はあまり見たことのない光景かと思いますが、ステージ上から客席を見ると



こんな感じです。このホールはシューボックス型(靴箱型)という直方体の形をしていて、2000年代以降に作られるホールに一番多く見受けられるかたちです。

このホールの舞台裏には、これまでここで演奏を披露してきた演奏家や指揮者たちのサインが飾られています。中には



2008年に他界した指揮者のジャン・フルネや、2014年に他界したフランス・ブリュッヘンといった今は亡き音楽家たちのサインも飾られていて、大変貴重なコレクションとなっています。

本番の演奏は、ひとりひとりがここ一番の集中力を発揮して、なかなかいい演奏になりました。やはり本番という時間には、特別なテンションがあるものです。

今回のメインプログラムは、ベートーヴェンの《交響曲第1番ハ長調作品21》でした。この曲はベートーヴェンが1799年から1800年に作曲した自身1曲目の交響曲で、《ピアノソナタ第8番『悲愴』》や《七重奏曲変ホ長調》などともに、ベートーヴェンの初期の代表作として知られています。

ゆったりした序奏で始まったり、快活な主題が展開したりするあたりにはハイドンやモーツァルトといった先輩たちの影響が見て取れます。しかし、ハ長調の曲なのに冒頭ではその下属調であるヘ長調のコードから始まったり、メヌエットというタイトルを書いておきながら実際にはスケルツォなみにスピーディな第3楽章を配置するなど、至るところに青年ベートーヴェンのオリジナリティが発揮されている作品でもあります。

演奏時間の短さからプログラムの中程に配置されることの多い曲ですが、交響曲としての密度は高いものです。後の《英雄》や《運命》、《第九》といった大交響曲の先駆けとして、十分な存在感を放つ作品でもあります。

そんなわけで、今日はそのベートーヴェンの《交響曲第1番ハ長調作品21》をお聴きいただきたいと思います。ベルナルト・ハイティンクの指揮、ロンドン交響楽団の演奏による、2006年の演奏でお楽しみください。



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