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松井再契約

 ヤンキースは15日松井秀喜との4年契約に合意したと発表した。契約年数以外の具体的な内容は明らかにされていないが、年俸総額は5100万ドル(約60億7000万円)とみられ、日本選手史上最高となる。これまでの最高はイチロー外野手(マリナーズ)が結んだ2004年からの4年契約、総額4400万ドル。(MAJOR JP)
 
との報道が流れた。やっと決まったかというのが実感だ。ヤンキースというのはアメリカの野球チームであり、松井もそこでプレイするのだから、アメリカ流に納得いくまで交渉し、自らが最もプレイしやすい環境を作り出すことは当然のことであり、日本流の考えでお金に細かいだとか何とかいうのは、的外れだ。交渉し、まとまらなければ他球団に移籍、たとえそんな事態になっていたとしてもそれは松井の選択であり我々が批判することではないであろう。
 地区シリーズでエンゼルズに敗退して以来、私は全く野球を見なかった。去年はヤンキースが負けた後も、ワールドシリーズを見て興奮したものだったが、今年は全く見なかった。去年はまだ、「頑張ったのに残念だったね」という気持ちがあったのかもしれない。しかし、今年はずっと松井に感じていた物足りなさが、最後まで払拭されないままシーズンを終えた虚しさばかりが心を占めて、とても野球を見る気になれなかった。しかも、全く見なかったその後のプレイオフで、私の虚脱感に追い打ちをかけたことが2つあった。
 1つは、ナ・リーグチャンピオンシリーズで、カージナルズのプホルズ選手が第5戦で放った逆転3ランHR。それはまさしく松井が地区シリーズ第4戦で最後の打者になったのとほとんど同じ状況でのことだった。松井は3-5で負けていた9回表2アウト1・2塁で打席に立ち、あえなく1ストゴロ。これで無念の敗退が決定してしまった。一方のプホルズは、同じように王手をかけられた試合、2-4で負けていた9回2アウト1塁・2塁で見事逆転3ランを放ちチームを勝利に導いた。私はこの結果を新聞でチラッと見ただけだったが、かなりのショックを受けた。プホルズは今シーズンのア・リーグMVPに輝いた選手だから、それくらいの活躍は当然なのかもしれないが、何故松井がプホルズと同じことができなかったのか。それくらいのことができる選手だと信じ、今でも信じているのだが、今年はできなかった。それが残念で悔しくて、がっかりだった。
 もう一つは、ホワイトソックスが優勝し井口選手が実質的には日本人として初めてチャンピオンリングを獲得したことだ。私は、松井がチャンピオンリングを獲得する日を夢見てこの3年間応援してきたのだが、メジャー移籍1年目の井口選手があっさりと(といっては井口に失礼かもしれないが)チャンピオンリングを手にしてしまったことが、私の虚脱感を一層強いものにしてしまった。
 それ以来、全く野球の話題にはふれてこなかったし、各種情報もほとんど見聞きしてこなかった。去年の今頃は、どんなピッチャーやバッターがヤンキースに来て翌シーズンのワールドシリーズを戦うことになるか、とワクワクしながら、FAやトレードの情報をチェックしていたものだが、今年は松井の契約の話題さえあまり見聞きしてこなかった。ただ、もう早く決着して、ゆっくり休むなり、軽くトレーニングするなり、来年のために準備しろよと言いたいだけだった。したがって、契約が決まったニュースを聞いても、これで落ち着いて来年シーズンの対策を練ることができるなとしか感想は浮かんでこない。
 確かに契約条件はすごいものだ。最初の提示といわれた額からはすごく上げられたようだ。これこそ、ヤンキースがどれだけ松井を必要としているかの表れだ。しかし、それは松井がそれだけの責任を負うことを意味する。今年のような成績では誰も満足しなくなるだろう。勿論、松井はそんなことは我々以上に分かっているはずだ。やれるから、その自信があるからこれだけの契約にも堂々と応じることができるのだろう。
 来年はMVPだ、などと無闇にあおることは間違っているだろう。しかし、私は、来年こそプホルズが見せたような、ここ一番でのHR.を何本でも、本当に何本でも見たい。絶対にそれだけの選手になってもらいたい。
 頑張れよ、松井!!!

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