毎日いろんなことで頭を悩ましながらも、明日のために頑張ろうと自分を励ましています。
疲れるけど、頑張ろう!
模試5年国語
2005年11月30日 / 塾
私の塾では、私立中学受験を目指す小学4~6年生を対象に、毎月模擬試験を実施している。以下に、5年生用の問題を抜粋してみるが、晩秋から初冬に移り変わる今日この頃の風情が味わえる短歌を集めた問題であるため、短歌を楽しむためだけにでも一読の価値はあると思う。
次のA~Dの短歌を読んで、後の問いに答えなさい。
A.行く秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲 (佐々木信綱)
B.霜やけの小さき手して蜜柑むくわが子しのばゆ風の寒きに (落合直文)
C.冬日ざし畳に淡しあな寒や明日は冬至と人のいうなる (窪田空穂)
D.( )深き夜の街より帰り来て小さき火鉢の火をひとり吹く (前田夕暮)
(1)Aの短歌に使われている表現技法を次のア~エから一つ選び、記号で答えなさい。
ア.対句 イ.倒置法 ウ.直喩 エ.体言止め
(2)Aの短歌から受ける感じとしてもっとも適当なものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
ア.はかなくて心細い感じ イ.おごそかでおそれおおい感じ
ウ.あわただしくて落ち着かない感じ エ.おおらかでゆうゆうとした感じ
(3)Bの短歌の「蜜柑むく」はだれの動作を表わしていますか。もっとも適当なものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
ア.作者自身 イ.作者の子ども
ウ.作者の子どもの友だち エ.見知らぬ幼い子ども
(4)Cの短歌の「淡し」はどんな様子を表わしていますか。もっとも適当なものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
ア.暖かさをあまり感じさせない日ざしの様子
イ.寒さを感じさせるすりきれた畳の様子
ウ.訪れる人がだれもいない静かな家の様子
エ.部屋にふきこんでくる冷たい風の様子
(5)Dの短歌の( )にあてはまる季節を漢字一字で答えなさい。
以上である。短歌が実際の入試問題に出されることはあまりないが、模擬試験としてはどんなジャンルの問題にでも対応できる力を身に付けさせる必要があるため、5年生では12月の模試に短歌と俳句が出題範囲となっている。
こうした設問で一番問題となるのは、(2)のように「Aの短歌から受ける感じ」を問う問題であろう。これは短歌を読んだ者がどう感じるであろうかを問う問題であるから、例えば「あなたはどう感じますか」と100人に街頭アンケートを取って、ア~エの中から選択してもらったら、全員が同じ答えということはないだろうし、0人というものもないだろう。人の感じ方はそれこそ千差万別であり、どれが間違いでどれが合っているかなどと決めることはできるはずもない。ならば、どれを選んでもよいのかといえばそうではない。もう一度設問をよく読むと、「もっとも適当なもの」を選べとあるから、「アンケート結果で一番多いであろうものを考えて選べ」ということなんだよ、と少々苦しい説明を子ども達にすることになる。「君の感じたことを述べよ」なら自由に感じたことを書けばいいが、このような問題の場合には、一番賛成する人が多いと思われる答えを選ぶようにと常に指導している。そうは言っても、「えっ、これが一番多い答えか?」と思わざるを得ない解答も時々あるので困ってしまうが。
この問題程度で、私立中学入試を語ることはできない。小学校のレベルをはるかに超えた次元で戦うのが、私立中入試である。したがって、5年生の現段階では、これくらいは常識的な問題であり、全問正解しなければ難関校はとても望めない。さあ、どれくらいできるだろうか。勿論、私は全問正解だった、と立場上言っておかねばならないだろう。
なお、解答と解説はコメント欄に掲載。
次のA~Dの短歌を読んで、後の問いに答えなさい。
A.行く秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲 (佐々木信綱)
B.霜やけの小さき手して蜜柑むくわが子しのばゆ風の寒きに (落合直文)
C.冬日ざし畳に淡しあな寒や明日は冬至と人のいうなる (窪田空穂)
D.( )深き夜の街より帰り来て小さき火鉢の火をひとり吹く (前田夕暮)
(1)Aの短歌に使われている表現技法を次のア~エから一つ選び、記号で答えなさい。
ア.対句 イ.倒置法 ウ.直喩 エ.体言止め
(2)Aの短歌から受ける感じとしてもっとも適当なものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
ア.はかなくて心細い感じ イ.おごそかでおそれおおい感じ
ウ.あわただしくて落ち着かない感じ エ.おおらかでゆうゆうとした感じ
(3)Bの短歌の「蜜柑むく」はだれの動作を表わしていますか。もっとも適当なものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
ア.作者自身 イ.作者の子ども
ウ.作者の子どもの友だち エ.見知らぬ幼い子ども
(4)Cの短歌の「淡し」はどんな様子を表わしていますか。もっとも適当なものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。
ア.暖かさをあまり感じさせない日ざしの様子
イ.寒さを感じさせるすりきれた畳の様子
ウ.訪れる人がだれもいない静かな家の様子
エ.部屋にふきこんでくる冷たい風の様子
(5)Dの短歌の( )にあてはまる季節を漢字一字で答えなさい。
以上である。短歌が実際の入試問題に出されることはあまりないが、模擬試験としてはどんなジャンルの問題にでも対応できる力を身に付けさせる必要があるため、5年生では12月の模試に短歌と俳句が出題範囲となっている。
こうした設問で一番問題となるのは、(2)のように「Aの短歌から受ける感じ」を問う問題であろう。これは短歌を読んだ者がどう感じるであろうかを問う問題であるから、例えば「あなたはどう感じますか」と100人に街頭アンケートを取って、ア~エの中から選択してもらったら、全員が同じ答えということはないだろうし、0人というものもないだろう。人の感じ方はそれこそ千差万別であり、どれが間違いでどれが合っているかなどと決めることはできるはずもない。ならば、どれを選んでもよいのかといえばそうではない。もう一度設問をよく読むと、「もっとも適当なもの」を選べとあるから、「アンケート結果で一番多いであろうものを考えて選べ」ということなんだよ、と少々苦しい説明を子ども達にすることになる。「君の感じたことを述べよ」なら自由に感じたことを書けばいいが、このような問題の場合には、一番賛成する人が多いと思われる答えを選ぶようにと常に指導している。そうは言っても、「えっ、これが一番多い答えか?」と思わざるを得ない解答も時々あるので困ってしまうが。
この問題程度で、私立中学入試を語ることはできない。小学校のレベルをはるかに超えた次元で戦うのが、私立中入試である。したがって、5年生の現段階では、これくらいは常識的な問題であり、全問正解しなければ難関校はとても望めない。さあ、どれくらいできるだろうか。勿論、私は全問正解だった、と立場上言っておかねばならないだろう。
なお、解答と解説はコメント欄に掲載。
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