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「初夢って、いつ見る夢のこと?」
と、元日の朝、雑煮を食べながら息子がたずねた。
「元日の夜から2日かけて見るのが初夢」
と、妻が答えた。
「ああ、よかった。ボクまだ初夢は見てないんだなぁ・・」
何がよかったのか私には分からなかったが、このやりとりが心のどこかに残っていたのか、普段あまり夢を見ることがなくなっていた私が、2日から5日にかけて3夜連続で、目覚めた後までその内容を覚えている夢を見た。だが、3回ともどうにもすっきりしない夢ばかりで、頭の中に大きなつかえができたようでなんとなくモヤモヤしている。そこで、その夢の内容をここに書き留めてみたら、少しはつかえが取れるかもしれないと思って試してみることにした。

【2日から3日にかけての夢】
 私がある家の中に入っていくと、無人だったはずなのに、何人かの小学生に占拠されていた。小学生といっても、タバコ片手に調子に乗って偉そうなことを言ってくる生意気なガキばかりで、正直閉口してしまったのだが、あれやこれやと悶着を起こすうちに、どういうわけだか子供たちが私になついてきた。まあ、普段からやんちゃな子供と接しているから、そのあたりのコツは心得ているから、何の不思議もなかったが、突然場面が変わったのには驚いた。一転して子供たちが年上の不良たちに襲われている。逃げ惑う小学生、助けを求める小学生・・。彼らのために私は一体どうしたらいいのだろう、思い悩む私、決断が迫られる・・。さあ、どうする!!っといった肝心な場面で目が覚めてしまった。何故こんな大事なところで・・??

【3日から4日にかけての夢】
 私が珍しくおめかしして歩いている。自慢のジャケットとコートを羽織って、何故だか無人の自動車修理工場を歩いている。すると突然、乱雑に積み重ねられた部品の間で立ち止まって、ジャケットとコートを脱いだ。何かもっと身軽な服に着替えようとしたのか、暑くてたまらなくなったのか、脱いだ服を何気なく部品の山の上に置いた。そのすぐ後にはっと気付くと、脱いだばかりのジャケットとコートがない。おかしいな、なくなるはずがない、どこに行ったんだ、と周りを見回してもない。変だなと思いながら広い工場の中を探し回り始める。だが、どこをどう探しても見つからない、これはどうしたことだろう?迷宮に入り込んでしまったのか?などと右往左往する私。まるでカフカの世界だ!と次第にイライラが募ってきたところで目が覚めた。疲れた・・。

【4日から5日にかけての夢】
 果たして夢だったのだろうか。朝目覚めたらバスで迎えに行く生徒は誰々と誰々で、明日は小学生の模試の日だから問題用紙をきちんとそろえておかなければいけない。それに中3生との冬期講習最終日だから、最後まで遺漏のないようやり終えなければならない、ああ、まったく忙しいなあ・・・。そう言えば、ガソリンスタンドに電話して灯油を持ってきてもらわなければいけない、忘れないようにしなくちゃ・・・。などとあれこれ一人で焦っていた。どうしてこんなにやることばかりなんだ、とぶつぶつ唸っていたら、携帯のアラームが鳴って目が覚めた。うなされていたような気がしなくもないが、思いの外、目覚めた気分は悪くなかったのは不思議だった。

 こんなに立て続けにはっきりした夢を見たなんて、ずいぶん久しぶりのことだ。しかも、目覚めた後にも夢の余韻が心や体に残っているのだから、なんとも妙な感じがした。夢判断などというものに興味はないが、これだけ続くとちょっと占ってもらいたくなる。
 しかし、書き留めてみるとあまりにくだらない夢なので、心が軽くなるどころか情けなくなるばかりだ。漱石の「夢十夜」とまでは言わないまでも、もう少し人に話しても恥ずかしくない夢が見られないものだろうか。
 ともあれ、この夢見が果たしてこれからも続くのか、これで一休みするのか。ちょっと楽しみである。もし連続するようだったら、またここに書きこもう。
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