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広辞苑

 

 本屋に広辞苑第六版を取りに行ってきた。重いし分厚い。軽佻浮薄の世の中をせせら笑うかのように重厚長大だ。しかし、この広辞苑を入れるための専用のビニール袋には軽妙な文言が印刷されていた。硬いイメージの岩波書店にしてはなかなか洒落がきいている。


 >「袋」ということばは、新しい広辞苑の2443ページに載っています。
こんなことが書いてあれば早速調べてみたくなる。
 
 ふくろ【袋・嚢】①中に物を入れて、口をとじるようにした入れ物。紙・布・革などでつくる。②特に、巾着。③子宮、また胞衣(えな)の俗称。④母親。おふくろ。⑤ミカンなどの果肉を包む薄い皮。⑥ふくらんで物を入れるようになったもの。⑦行きづまっていること。行きづまり。⑧水辺、または池川などの水に囲まれた土地。各川の落ち合った所。

 確かに言葉には多くの意味がある。「袋」一つとっても8つも意味があるとは・・、ちょっと感動する。そう言えば、ゴジ健さんから「広辞苑」がらみでいただいた「愛、にはどういう意味があるんだろう。 吉田美和」というコメントにお返事をしなくてはいけない。「愛」という言葉を調べてみた。

 あい【愛】①親兄弟のいつくしみ合う心。広く、人間や生物への思いやり。②男女間の、相手を慕う情。恋。③かわいがること。大切にすること。④このむこと。めでること。⑤愛敬(あいきょう)。愛想(あいそ)⑥〔仏〕愛欲。愛着(あいじゃく)。渇愛。強い欲望。十二因縁では第八支に位置づけられ、迷いの根源として否定的にみられる。⑦キリスト教で、神が、自らを犠牲にして、人間をあまねく限りなくいつくしむこと。→アガペー。⑧愛蘭(アイルランド)の略。

 ちなみに妻が持っている「広辞苑」第二版で「愛」を調べてみたら、かなり説明が違っていて面白かった。
 
 あい【愛】① 或るものにひきつけられ、それを慕い、あるいはいつくしみ、かわいがる気持ち。②とくに男女間の相手を慕う気持。恋愛。③愛玩すること。④愛撫すること。⑤キリスト教で、神が人類に幸福を与えること。他の人間を兄弟と思ってかわいがること。→アガペー。⑥仏教では、師や目上を慕い、真理を学ぶ感情は清らかな愛で、これを万人に及ぼすことが理想である。自己と自分の所有とにこだわるのがけがれた愛で、迷いの根本原因となる。⑦愛蘭(アイルランド)の略。

 私としては、第二版の解説の方が読んでいて面白い。単なる語釈だけでなく、その言葉の持つ奥深さまで記述してあって勉強になる。全体としての字数はほぼ同じだが、第六版の方が説明が簡略化されたような印象がする。これが「愛」という言葉に限ったことなのか、全体的な傾向なのか、気にかけていこうと思う。
 ところで、予約注文した人には、特典として「広辞苑一日一語」という冊子が付いてくるのだそうだ。1月17日を引いてみた。
 
 17日 兵庫県南部地震
一九九五年一月一七日午前五時四六分に淡路島北端を震源として発生した地震。マグニチュード七・二。阪神淡路大震災を引き起こす。

 そうか、もう13年も経ったのか・・。
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