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初午

 日曜日の朝、塾を始める前に馴染みの喫茶店に行ってみたが、満員で入れなかった。仕方なしに別の店に行ってみたが、そこも満員だった。どうしようか?と少し考えを巡らしてみたところ、「お稲荷さんの初午に行こう」と思いついた。毎年年が明けると初詣に行っているお稲荷さんが初午の大祭を3月2日に行うという立て看板を何度か見たことがあったので、気にはなっていた。ちょうどいい機会だと思って、車を走らせた。着いたのは9時半頃だったので境内に並べられる屋台もまだ準備中のようだった。参拝客もまばらで清清しい朝の空気が漂っていた。

 

 広い境内に敷かれた玉砂利に足をとられて歩きにくかった。社務所で、100円払ってお神酒と蝋燭・油揚げを受け取り、それを神殿に供え、鈴を鳴らして拍手をうつ・・。

  
 
 毎月お千代保稲荷へ参拝に行っているが、やはり氏神とも言うべきこのお稲荷さんにも不義理はできない。と言っても、初午に来るのはこれで2度目であり、本当に久しぶりのことだ。そもそも「初午って何?」と妻にたずねられてもはかばかしい答えができない私であるから、調べてみた。

 『旧暦二月の最初の午の日を言い、京都深草の伏見稲荷をはじめ大阪の玉造、愛知県の豊川稲荷、また神戸の摩耶参など、各地の稲荷神社で盛大に祭がとり行われます。稲荷神の信仰は、農耕を司る倉稲魂神(うがのみたまのかみ~宇迦之御霊神とも表記)を祀って五穀豊穣や福徳を祈願するものですが、キツネを稲荷神の使いとして油揚げを供えたり、初午団子などを作る風習もあります。江戸時代には最も盛んな信仰となり、俗に数が多くて目につくものを『伊勢屋稲荷と犬の糞』などと皮肉ったりしました』

 なんだかよく分からないが、商売繁盛を願う祭りなんだろうと、勝手に解釈して我が塾の隆盛を祈願した。普段なら家でごそごそしている時間に神社でお祈りをするというのは、新鮮で身の引き締まる思いがした。
 境内には一斗樽のお神酒が用意されていたが、塾があっては口にすることはできない。ただ、妻が引いた御神籤に、「今は辛くとも我慢すれば花開く」といったご託宣が書かれていたので、有難い気持ちになれた。帰り際に縁起物として社務所に売られていたキツネの置物を買った。こんな時に欲をかいて大きな物を買ったりするといいことはないから、謙虚に一番小さなものを買った。


 よく見ると、安物の陶製の置物だが、どことなく霊験あらたかに見えるのは不思議だ。塾の事務室に置いて、塾に運をもたらしてくれるよう大事にしようと思っている。

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