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おはぎドーナッツ

 我が家は神式の家系なので、仏式の行事には疎い。お彼岸にお墓参りをするという習慣がないので、昔からお彼岸がいつなのかよく分からないできた。最近になって、春分の日、秋分の日の前後3日ずつ、合わせて7日間がお彼岸だというのを知った。今年は昨日20日が春分の日だったので、17日から23日までが春のお彼岸ということになる。
 なるほど、とそれを知って合点がいったことが一つある。それは、一昨日にパン屋で見つけて買ってきた「おはぎドーナッツ」。ただのアンドーナッツとどう違うのかと興味津々で買ってきたのだが、お彼岸の時期ならばこうした一風変わったパンが販売されていても不思議ではない。

  

 見た目は何の変哲もないアンドーナッツのようだが、半分に割って中身を見たら、確かにおはぎが入っている。ドーナッツとおはぎを一緒に食べるようなものかな、と少々おっかなびっくりで食べてみた。おいしい!おはぎの味もドーナッツの味もしっかりするのに、どちらも余計な主張をしてこない。かと言ってまったく別の食べ物でもなく、ほどよい加減に味がミックスされていて、実においしい。これは驚いた。妻も一口つまんで、「ドーナッツの皮がおいしいからかな・・」と感想を言ったが、そんな気がしなくもない。
 だが、一つ気になったことがあった。
「おはぎって言うけど、これはぼた餅でしょう?」
 私がそんな疑問を妻にぶつけたら、意外なことを教えてくれた。
「ぼた餅っていうのは牡丹の花が咲く頃のお彼岸に食べるもので、おはぎは萩の咲く頃のものだそうなんだって」
「へえ、そうなの?てっきり、ぼた餅は粒餡でできていて、おはぎは漉し餡で作ったもの、そんな違いだとばかり思っていた・・」
「そういう考えもあるかもしれないけど・・」
 そう言われて調べてみたら、妻の言った通りのことが書かれていた。結論から言えば同じものだが、季節によって「春のお彼岸にはぼた餅、秋のお彼岸にはおはぎ」という風に呼び名が変わるのだそうだ、知らなかった・・。
 
 などと言っていたら、ぼた餅が食べたくなった。翌日市内の餅屋にぼた餅を買いに行ってきた。この店は本来はお祝い餅や赤飯を専門に作っている店だが、あんころ餅やぼた餅も売られていて、客足が絶えない。

 

 大きくもなく、小さくもない、ちょうど食べごろの大きさの餅をたっぷりと粒餡で包んであって、これもまた絶妙のおいしさだ。パンとの合体もそれはそれとして面白くはあるが、やっぱりぼた餅はぼた餅として食べたいと思った。
 そんな折、あんこ好きの私には堪らないものを親戚から頂いた。


 お彼岸のために作ったぼた餅用のあんこを玉にしたものだ。もう最高!!
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