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すす病(2)

 昨日の樫の木については、語り残したことがある。

 樫の木が「すす病」に犯されているのは分かったし、風通しをよくしろというアドバイスも枝を剪定して実行してみた。だが、この「すす病」に感染する経路についての記述、
 「害虫の排泄物に寄生して発生するものと、植物体から直接養分を摂取するものがあるようです」
に従えば、害虫を見つけてそれを駆除するのも有効なことであるはずだ。対処療法も必要だろうが、根本治療の方がもっと大切だ。
 実は、剪定する前から、妻から樫の木に「テントウムシの幼虫がいっぱいいる」と聞いていた。妻は、それが害虫なんだと決め付けて、「赤くて気持ちが悪い虫」のことを、しかめっ面をしながら説明してくれたが、実際木を見るとまさに雲霞の如く大量に発生していた。こんな奴らだ。


毛虫のようだが、少し違う。妻がネットで調べてテントウムシの幼虫だと言うからきっとそうなんだろう。こんなにうようよいると気持ちが悪い。
「きっとこいつらが犯人なんだろう」
そう断定したら、退治しなくちゃいけない。小さなブラシを使って、片っ端から潰していった。時々は手で払ったりしたが、その度にぶちゅっと潰れて赤い汁が指につく。おぞましいことこの上ないが、これも樫の木のため、我慢してしばらく格闘し続けた・・。
 だが、いくらやっても切りがない。「今日はこれまで!」と仕事を1つ終えた充実感で、しばらく休憩することにした。もう一度確認のため、PCを開いて「すす病」について別のサイトを訪ねてみた。すると・・。
 「すす病は直接植物に寄生するのではなく、アブラムシやコナジラミなど植物の汁を吸う害虫(吸汁性害虫)の排泄物を栄養にして繁殖します」
という記述を見つけた。
 「アブラムシ?」この瞬間私はしばし凍りついてしまった。
「アブラムシとテントウムシ?・・・・えっ、テントウムシはアブラムシを食べるんだったよなあ・・。」
小学校の理科の問題集でアブラムシを食べるテントウムシの写真が載っていたのを思い出した。
「えっ?ひょっとしたら、俺は害虫のアブラムシを食べてくれる益虫のテントウムシをせっせと駆除したことになるのか?・・ええっ?!マジかよ・・」
急いで妻にこのことを知らせた。
「あらまあ、それは大変!」
と答えた妻は、「それじゃあ、テントウムシの卵だと思っていたあの小さな粒々がアブラムシなのかなあ・・」
と言って、私を庭まで連れて行き、枝についた粒々を見せてくれた。
 

 わ~~~ああっ、気持ちが悪い。
「これかあ、諸悪の根源は!!」 そう思って枝に付いた粒々を指で払い落としてみたら、
「げっ、べとべとになっちまったあぁぁ!!」
その写真も撮ったが、さすがにここに載せるのは忍びない・・。
 
 果たして私の誤ったテントウムシ退治が今後どういう影響をもたらすかは定かではないが、樫の木の健康回復への邪魔をしたような気がしなくもない。良かれと思ってしたことなのに・・・。
 「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」
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