じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

村田喜代子「鍋の中」

2019-07-01 17:47:28 | Weblog
★ 村田喜代子さんの「鍋の中」(文藝春秋)から表題作を読んだ。

★ 祖母は青い田んぼの中、白い小さな日傘をさして立っていた。孫たち4人が夏休みの間、一緒に暮らすのだ。この設定だけで何かワクワクする。

★ 祖母は80歳。昔は小学校で先生をしていた。今は田舎で一人暮らしをしている。

★ 都会の生活に慣れた子どもたち(といっても、14歳から19歳だが)にとって、田舎は異文化との出会いだ。祖母の昔話を聞きながら、自然を感じて時を過ごす。気がかりなのは、祖母の記憶がときどき混乱すること。

★ 毎日の食卓に出される煮物がおいしそうだ。

★ あとから知ったことだが、この作品は黒澤明監督の「八月の狂詩曲」(1991年)の原作だという(原作者には不評のようだったが)。そう言えば、おばあちゃんと孫たちの話だった。リチャード・ギアがハワイからエアメールを送ったクラークだね。滝の風景も印象に残っている。
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