じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

城山三郎「メイド・イン・ジャパン」

2019-07-12 20:21:19 | Weblog
★ 城山三郎さんの「総会屋錦城」(新潮文庫)から「メイド・イン・ジャパン」を読んだ。

★ 1ドルが360円だった時代。日本製品が「安かろう、悪かろう」だった時代の話。

★ アメリカは湿度計に高額関税をかけるという。当局と交渉するため、銀河湿度計の社長がアメリカに乗り込む。自主規制をすれば関税を回避できる。周りから「自主規制」を勧める声が高まるが、彼は頑なに拒否をした。

★ 自主規制をして販売数を減らせば結局は国内の製造業者間の価格競争になるだけではないか。劣悪な廉価版が「一発屋」となり、結局、メイド・イン・ジャパンの価値を下げてしまう。

★ 彼の正論は通らず関税が課されることに。帰国後の彼は業界の人々からの非難を受ける。

★ 「メイド・イン・ジャパン」の品質が認められる前の人々の苦労が描かれていた。


★ ところで、今の日本はかつての「ものづくり」のプライドを持ち続けているのだろうか。ギャンブルで手軽にカネを稼ごうという時代。時代は変わってしまったのか。新興国の商品がかつての日本製のようにあふれる時代、プライドでは飯は食えないか。
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江國香織「十日間の死」

2019-07-12 16:18:53 | Weblog
★ 江國香織さんの「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」(集英社文庫)から「十日間の死」を読んだ。

★ フランス育ちの日本人、16歳のめぐみは日本の高校に馴染めず、フランスに強制留学させられる。フランスに着くや否やまた母親と大喧嘩。そこでマークと出会う。

★ 彼は35歳、アメリカ出身。ブドウ園をもつ富豪の娘と結婚しフランスへやってきた。しかしファミリービジネスからはのけ者らしい。ハーレーを乗り回し、妻と大喧嘩し、ホットドッグを食べているときにめぐみと出会った。

★ はみ出し者同士。意気投合し、二人は9か月の恋を楽しんだ。

★ そんな季節にも終わりはやってくる。ある事件が起こって、めぐみは一人で旅に出る。その10日間の記録である。

★ 本書の解説は山田詠美さんだ。「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」と合わせて読むのも楽しい。
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