じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

原尞「少年の見た男」

2022-05-05 13:49:22 | Weblog
★ 最近の定番はドラマ「コールドケース」(アメリカ版)。以前にシーズン1~3まで観て、少々飽きていたが、最近シーズン6を観始めて、改めて面白いと思った。番組の構成はほとんど変わらず、事件当時と現在を行ったり来たりする。第6シーズンのテーマはどれも重く、それが良い感じだ。アメリカ社会の影の面が描かれている。

★ 第8話はロシアのオペラ歌手がアメリカに亡命する話。若いオペラ歌手役のエリーナ・サチンが歌う「Free Fallen」と「Va Pensiero」のアレンジが圧巻だ。締めくくりのシンディ・ローパー「True Colors」も良い感じだ。第7話の「青い影」も良かった。第5話はエピソード自体が映画のようで泣かせる。

★ さて、原尞さんの「天使たちの探偵」(早川書房)から「少年の見た男」を読んだ。チャンドラーを思い起こさせるハードボイルドだ。新宿で探偵業を営む沢崎、今回の依頼者はなんと小学5年生の男児だ。仕事の中身は、ある女性のボディーガード。無邪気とも思えるが所々で見せる大人ぶった言動に、さすがの沢崎も困惑気味だ。

★ 格好はつけてみたものの、結局、少年の依頼を受ける羽目に。そして遭遇した銀行強盗事件。事件の背景には思わぬ事情があった、というもの。

★ 沢崎の目を通して物語に入り込める。

★ 現在読みかけの長編は、染井為人さんの「悪い夏」(角川書店)、高橋和巳さんの「悲の器」(角川文庫)、凪良ゆうさんの「流浪の月」(創元文芸文庫)、朝井まかてさんの「阿蘭陀西鶴」(講談社文庫)というところ。

★ 「悪い夏」は、生活保護を食い物にするワルたちを描いた作品。キャラクターが際立っていて面白い。「悲の器」は、文章が濃すぎて全然進まない。「流浪の月」はまだ冒頭部分だけれど、なんか切ない。「阿蘭陀西鶴」もまだ冒頭部分なのでこれからが楽しみだ。
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