じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

浅田次郎「スターダスト・レヴュー」

2022-05-20 15:06:18 | Weblog
★ 先日は赤瀬川隼さんの「陽炎球場」で、野球をめぐる2人の男の物語を読んだ。今日は音楽をめぐる2人の男の話。

★ 浅田次郎さんの「見知らぬ妻へ」(光文社文庫)から「スターダスト・レヴュー」を読んだ。かつての芸大の同窓。1人は世界的な指揮者として成功し、凱旋コンサートを開いている。もう1人は、卓越したチェロの腕前を持ちながら、クラシックの道は断念し、今は薄暗いラウンジでピアノを弾いている。

★ 10年の歳月が2人の進路を大きく隔ててしまった。光と影のようだが、影の人生もそれなりに悪くはなさそうだ。下町のならず者たち相手に、人生のタクトを振る様子が目に浮かぶ。

☆ 話は変わって、最近、英語嫌いの生徒が目につく。小学校中学年からの英語教育が始まって、中学校の英語が出だしから難しくなった。中学1年生のユニット1で、いきなりbe動詞、一般動詞、助動詞canが出てくる。それに授業は原則英語でなどというものだから、生徒にしてみれば、わからない、つまらないの世界。結局は雑談タイムになっている様子。

☆ 一部の生徒は英会話学校や塾でしっかり学んでいるから、格差は広がるばかり。「英語」という教科の破綻が始まっているように感じる。文科省は中学卒業までに「英検3級程度」を目指しているが、根本的な改革が必要な気がする。
コメント

赤井三尋「クリーン・スタッフの憧憬」

2022-05-20 00:06:17 | Weblog
★ 今週から来週にかけて、高校は中間テスト。「現代社会」から「公共」、「英語表現」から「論理・表現」、それに「歴史総合」と従来の教科名が新しい名前に衣替えし戸惑う。結局は、看板のすげ替えに過ぎないような気がする。教育改革は常に言われ続けているが、どうも生産性が乏しい。中央の審議会に集う人々と現場との乖離が著しいように感じる。

★ さて、赤井三尋さんの「花曇り」(講談社文庫)から「クリーン・スタッフの憧憬」を読んだ。

★ テレビ局で清掃の仕事をしていている女性・千葉結花。家庭の事情(父親が愛人と逃げた)で高校を中退し、昼は清掃のアルバイトをしながら、定時制高校に通っている。来春、21歳にしてやっと卒業できる。そしてその後の夢は、テレビ局の美術スタッフとして働くこと。

★ 風貌はパッとしない結花。吃音があり、自分の気持ちを人に伝えるのが大の苦手。そんな彼女を、1回り年上の先輩、久仁子さんがサポートしてくれている。そして、不運の連続だった結花に、やっと運が巡ってきたようだ。

★ 華やかなテレビ業界。でも一歩裏に回ると、灰皿にたまった山盛りのタバコが苦労を物語る。

★ お台場の風景が美しい。まるで目の前に広がっているように感じた。
コメント