じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

今西佑行「ヒロシマのうた」

2024-10-12 13:29:26 | Weblog

★ 近隣の中学校の中間テストまであと3日。この三連休はテスト対策に追われる。

★ さて今日は、やはりこの作品でしょう。今西祐行さんの「ヒロシマのうた」を久しぶりに読み返した。中学生の頃、集団読書で使ったテキストが残っていた。

★ 広島に原爆が投下され、その救護に向かった兵隊たち。広島の街、練兵場周辺は地獄のようなありさまだった。惨劇の描写は想像するだけで震えそうだ。

★ ある水兵は救護所の近くで母子を見つける。母親は衰弱し、目も見えない様子。腕にしっかり抱いた赤んぼうは母親の乳を吸っては泣いていた。やがて母親は亡くなり、このまま放置すればやがて赤んぼうも死んでしまう。その水兵は、母親の腕から赤んぼうを引き取り、預かってもらえる人を探す。

★ とはいえ、誰もが自分のことで精一杯。運よくリヤカーを引く夫婦に託すことができたのだが・・・。

★ それから7年、15年と月日が流れる。偶然にも、元水兵は当時の赤んぼうだった少女と再会を果たす。

★ 中学生の頃はそれほど気にも留めなかったが、今読むと涙が出そうなほど感動した。

★ 戦争ほど残酷なものはない。原爆は一瞬にして多くの人々を殺傷する悪魔の兵器だ。また原爆が放った放射能は時間を経て人々を苦しめる。原爆の残酷さを知りながら保有国はどうしてそれを放棄できないのか。人々の心に疑心暗鬼がある限り、国家に覇権への野心がある限り、果たせぬ夢なのか。

★ 日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。受賞が決まった会見場で代表委員と席を共にした若い人々が印象的だった。平和への願いが受け継がれているのが心強い。

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「時給1500円」というけれど

2024-10-11 20:03:53 | Weblog

★ 最低賃金が1000円を超え、この先1500円まで増やすことを公約に掲げる政党もある。

★ 時給1500円とはパートやアルバイトの方には一見うれしい話だけれど、時給の増加分は当然、商品価格に反映され、結局は物価が上がることになる。所得は増えるというけれど、物価が更に上がれば実質賃金は下がることになる。

★ さらに大きな企業なら人件費の高騰分を何とか工面できるだろうが、小規模零細企業では死活問題となる。

★ 高度成長、右肩上がりの経済なら、国民こぞって豊かになるだろうが、もはやそんなことは幻だ。

★ 「政治家は現場の苦労を知らないですね」と近所で個人営業されているパン屋さんさんとしばしの立ち話。結局は小さな商店や零細企業は滅びゆく運命なのだろうか。心寒い話だ。

★ 個人商店がそれなりに工夫をしながら暮らしていけた昭和30年代が懐かしい。

☆ 更に言えば子育て支援資金に保険料が使われるところ。本当に財源が必要ならば正面から消費税を上げればよいものを、どうもやり方が姑息だ。

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中川李枝子「くじらぐも」

2024-10-10 16:04:50 | Weblog

★ 中学校の中間テストまであと5日。何かと忙しくなってきた。

★ 衆議院も解散し、総選挙が始まる。少々騒がしくなりそうだ。今回は「バンザイ」もそろわない、気の抜けたような解散だった。選挙後は与野党伯仲あるいは政権交代。早々に内閣総辞職や政界再編など波乱含み。来夏の参議院選挙まで余波は残りそうだ。

★ 大人の世界のドロドロとした空気に辟易としたので、光村図書「小学1年生 国語」から中川李枝子さんの「くじらぐも」を読んだ。

★ 4時間目。1年2組の子どもたちが体育の授業をしている。そのとき、空にクジラの形をした雲が現れた。子どもたちが体操を始めると「くじらぐも」も「のびたりちぢんだり」。その様子を想像するだけで笑顔がこみあげてくる。

★ 柿本幸造さんの挿絵も素敵だ。こどもたちも「くじらぐも」も楽しそうだ。みんなの笑顔が素晴らしい。

★ 近隣の中学校では、あるクラスが学級崩壊の危機にあるという。昨年度からいろいろと問題のある学年で、学年が上がりクラス替えをして何とか落ち着いたように見えたが、あるクラスの担任をもたされたのが新卒の先生で、1学期は何とか持ちこたえたが、ここにきて限界にきている様子。

★ 教職に希望を抱いての初年。早速の洗礼に「どうかつぶれないでほしい」と願うばかりだ。

★ できるならサポートしてあげたいのだが、「学校」という組織は外部の者には壁が高い。1980年代は「開かれた学校」が標榜されたが、外部の者によるいくつかの事件を経て「学校」はすっかり門を閉ざしてしまった。

★ もし「くじらぐも」がこの光景を見たら、悲しむだろうなぁ。子どもたちの笑顔がいつまでも絶えないことを願いたい。せめてうちの塾だけでも頑張ろう。

★ 「マクロス フロンティア」から、ランカ・リー(中島愛さん)が歌う「ニンジーン」を聴きながら思う。

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今日いち-2024年10月8日

2024-10-08 18:39:38 | Weblog
★ ドラマ「深夜食堂」を観て、豚汁が食べたくなったのでつくった。
★ 昆布のだしに炒めた豚バラと野菜。根菜は時短のためスーパーの水煮。今日は塾生のリクエストでさつまいもを入れる。甘みが出て美味しい。
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戸川猪佐武「小説吉田学校」

2024-10-06 12:47:27 | Weblog

★ 自民党の総裁選が終わり、各党新リーダーでの総選挙にいよいよ突入する。自民党の総裁選は候補者が多すぎて、それぞれの政策の違いがよくわからなかった。その結果、ドロドロとした人間関係だけが浮き彫りになった気がする。

★ ソフト化した石破総理には早くも批判が。総裁選には勝ったものの無派閥を頼りにする政権基盤は弱く、実質は森山幹事長の政権ではとの声も聞かれる。 

★ 誰になろうと、アメリカ政府と財務省の機嫌を損ねれば、短期政権に終わるかも。

★ 政治といえば、戸川猪佐武さんの「小説吉田学校」(角川文庫)が面白い。全8部の長編ながら、戦後から昭和50年代までの自民党が克明に描かれている。官僚出身の吉田派VS党人出身の鳩山派の戦い。昭和30年代から40年代にかけては池田、佐藤の政権。続いて三角大福中の時代。田中、三木、福田、大平、中曽根それぞれが後の総理となる。物語は大平総理の急死の後、後継に鈴木善幸氏が選ばれて終わる。

★ 東西冷戦が激しく、自民党対社会党の55年体制が長く続いていた時代。自民党は党内抗争と疑似政権交代で権力の座を維持し続けていた。

★ 物語の後は、安竹宮の時代となるが、リクルート事件の影響で海部政権ができ、その後の宮沢政権で政治改革の混乱から政権が交代。細川、羽田と続く。反自民で結集した連立内閣が長続きするはずもなく、冷戦後の世界情勢も踏まえて、自社連立の離れ業。村山総理の自衛隊容認発言にはびっくりしたなぁ。

★ 村山政権の後は、橋本、小渕、森と続き、自民党の政治に嫌気を感じていた時に、「自民党をぶっこわす」と小泉氏が登場し、起死回生の支持復活を果たす。小泉総理勇退後は安倍、福田、麻生と1年ごとのコロコロ内閣を経て、民主党に政権交代。その民主党政権も安定せずわずか1000日余りで再び自民党に政権が移る。そして長期の安倍政権。

★ こうやって見てくると、いろいろとあったなぁ。問題が起これば何とかその場しのぎで乗り越え、それなりに(他国と比較して)暮らしやすい国だと思うけれど、ふと気づけばもはや経済大国でもなく、いつまでG7に名を連ねられるのかも危うい。

★ 超高齢化の進展、人口減少社会に多額の国債と難題が山積する中、この国は平和と安定を維持し続けることができるのか。老婆心ならぬ老爺心で気を病む。

★ なにはともあれ、政治の世界は泥臭く、それゆえに物語としては面白い。

★ 麻生さんの影響力は、高市政権は成立するのか。初の女性総理は、高市氏か、野田氏か、小渕氏か。男だ女だといっている時点でもはや時代遅れなのか。

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柚月裕子「あしたの君へ」から

2024-10-01 18:15:50 | Weblog

★ 今日から10月。話題と言えば新内閣の発足と値上げラッシュばかり。

★ 知らない番号から電話があり、受話器を取ると「厚生労働省云々」とのこと。詐欺電話に違いない。以前は「電話等がすぐに使えなくなる」といった電話が何回かかかってきた。手を変え品を変え、ご苦労なことだ。

★ 郵便料金が値上がりし、紙請求書を廃止する業者が目立つようになってきた。エコというのは大義名分で、ホンネはコスト削減だ。電子マネーも増え、アナログからデジタルへの過渡期なのだろうが、何か複雑になり混乱する。

★ 詐欺が横行する背景には、そんな情勢の変化があるのかも。

★ さて今日は、柚月裕子さんの「あしたの君へ」(文春文庫)から「第1話 背負う者」を読んだ。

★ 家庭裁判所の調査員が主人公。日頃馴染みのない職種だけれど、大学の同級生にも調査官になった人が一人いた。全国あちこち転勤があり、なかなか大変そうな仕事だ。

★ 「背負う者」では、17歳の女性の調査を担当する。彼女はSNSで知り合った男性とホテルに行き、男性がシャワーを浴びている間に金品を奪ったという窃盗罪に問われている。彼女はなぜ犯行に至ったのか。

★ 調査をしていくと家庭の事情が見えてきた。

★ 「家裁調査官には、大きく分かて三とおりの人間がいる。法律畑の者と心理学畑の者、そして社会学畑の者だ」というところ。「そうなんだぁ」と感心した。

★ 子どもたちの問題行動は後を絶たない。その多くに家庭の問題が絡んでいる。問題が起こってからでないと行政も司法も動きづらい。貧困やヤングケアラー、児童虐待など、問題が起こる事前にサポートができればよいのだが。

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