源氏物物語ゆかりの地 清凉寺のご紹介です。
2014年11月、京都市右京区にある
嵯峨釈迦堂こと清凉寺(せいりょうじ)を訪ねました。
清凉寺 阿弥陀堂
嵯峨天皇の皇子として生まれ
皇族賜姓の源融(みなもとのとおる)は
『源氏物語』の主人公・光源氏の
モデルのひとりといわれています。
清凉寺の地は、
平安時代前期、源融の
山荘・棲霞観(せいかかん)があったところで、
融の死後、息子たちが融の遺志を継ぎ、
阿弥陀三尊を本尊とした仏殿が棲霞観内に完成し
棲霞寺が誕生しました。
この阿弥陀三尊像は現在、国宝に指定されており
霊宝館に安置されています。
阿弥陀仏は、源融が亡くなる前に自分の顔に
似せて作らせたといわれ「光源氏写し顔」の
伝説をもっています。
※霊宝館は春と秋に公開されます。
↑源氏物語ゆかりの地説明板。
クリックで拡大します。
清凉寺は、987年、
東大寺の僧・然(ちょうねん)が
宋から迦如来像を持ち帰り発願、
没後、弟子が遺志を継ぎ棲霞寺内に
釈迦堂を建立したことに始まります。
清凉寺本堂
木造釈迦如来立像(国宝)がご本尊です。
本堂裏側の様子。
お庭も素敵でした。
多宝塔
■源融公墓所
多宝塔の裏側に源融の墓所があります。
■『源氏物語』<松風>巻より
造らせたまふ御堂は、大覚寺の南にあたりて、
滝殿の心ばへなど、劣らずおもしろき寺なり。
訳:(光源氏が)ご建立なさっている御堂は、大覚寺の南に当たって、
滝殿の趣なども、それに負けないくらい素晴らしい寺である。
【本文・訳引用】 渋谷栄一氏のサイト『源氏物語の世界』
光源氏が造営した「嵯峨の御堂(みどう)」は、
大覚寺の南にあり、滝殿の趣なども
大覚寺にある滝(=名古曽の滝)に負けないくらい
素晴らしい寺であったようです。
この「嵯峨の御堂」こそが、
源融の別荘であった棲霞観がモデルと考えられています。
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清凉寺<嵯峨釈迦堂>
所在地:京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46
交 通:京都バス・市バス「嵯峨釈迦堂前」下車
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