奈良県五條市。その昔、ここと和歌山県の新宮を
結ぶ鉄道計画があり、実際に途中まで建設が
すすめられたのだが、昭和30年代に頓挫して
その遺構が五條市から南、西吉野村まで
点在しているという。
河瀬直美監督の『萌えの朱雀』は、この五新線の
開通を夢見た地域の人々の期待と挫折がテーマの
下敷きとなっている。
五條市の駅の近くを通っていると、
突然目の前にコンクリートの橋脚が現れた。
下をたどっていくと、アーチの中は物置や
駐車場になっていたり、すぐ横に家の玄関が
あったりしながら、途中でぶった切られたように
途絶えている。
50年近くの年月の中で無用となったコンクリートの
塊は風景の中に溶け込み、人々の暮らしの一部となっていた。
五条から西𠮷野までの軌道はバス専用道として活用されていたが
トンネルの老朽化などで、今年の秋でその運行も廃止されるという
記事を読んだ。一度乗ってみたかったのだが・・・
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