かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

“和様の書”展に行って来ました

2013年08月25日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
先週、お盆で帰省したのに合わせて、東京国立博物館に行ってきました。

特別展“和様の書”展を見学するためです。

どんな展示かというと、展示図録によれば・・・

  『和様とは、日本の風土、国民性に合った日本独自の文化を示す言葉です。
  そして、和様の書とは、中国風の書に対して、日本風の書のことをさします。
  (中略)本展示では、国宝・重要文化財八十六件を含む計一五六件を展示し、
  和様の書や宮廷文学の魅力、料紙や工芸など書に関わる多様な日本文化を
  紹介します(後略)』


というもの。

kaneurikichiji が見たかったのは、長者ヶ原廃寺跡が建立された頃、最も権力を持っていた人物、藤原道長の日記、『御堂関白記』。

今から1,000年前の人物の自筆の日記ということで、今年6月19日に世界記憶遺産に登録されています。

ま、そのことはともかく、『御堂関白記』は滅多に出展されるものではありません。

しかも前から見たかった、息子頼通(よりみち。この時数えで13歳)が、氏社・春日大社へ祭使として使わされた日の部分。
 ※この部分については、山中裕著『藤原道長』55~56頁が詳しく解説しています。

ちょうど会期の後半、お盆後に公開されるというので、17日に出かけてきました。

実物を見ると、やはり写真では分からなかったことがいろいろと分かり、勉強になりました。

それはこういうことです。

頼通が春日大社へ赴いた日は、あいにくの大雪。

心配した道長は、頼通のお供、藤原定頼(さだより)の父藤原公任(きんとう)と、和歌のやり取りをしています。

和歌なので、平仮名で記されているのですが、その文字の大きさは漢字よりひとまわり大きかったのが、印象に残りました。

その時だけだったのか、道長だけがそうなのか、分かりません。

けれども、文字を記すという行為の持つ意味、それを明らかにしたいと考えているkaneurikichiji にとって、とても興味深いこととして印象に残りました。

やっぱり、実物を見てみなければと改めて感じた一日でした。


道長と同じ日に亡くなった三筆の一人藤原行成(ふじわらこうぜい)の筆による「白氏詩巻」(国宝)。
3年前、見学したときに撮影したものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする