三蹟のひとり藤原行成の「白詩詩巻」。
不明ですが、誰かの依頼でしたためたものです。
けれども、行成が筆を執った、長和、いや(笑)、寛仁2年から112年後の保延6年、藤原定信という人物が手にします。
その経緯が・・・
赤色の部分に記されています。
例によって原文は漢文ですが、読み下すとこうです。
『物売り女(め)、蓬門より入り来たりて、手本二巻、
一巻は野道風屏風土代、一巻はこの本を売る。
見るに、一定の由。価直を賜うに、女人はなはだ悦気を
なし、すなわち以て退出す。』
訳すとこうでしょうか。
『蓬門から物売りが入ってきて、書を売りに来た。ひとつは小野道風の屏風土台、
もうひとつはこの本である。一見して、確実なものだと分かったので、お金を
渡すと、女はたいそう喜んで、すぐに門から出ていった。』
要は訪問販売。
でも、この女性、結構やり手。
というのも、購入した藤原定信は、「白詩詩巻」の書き手、藤原行成の玄孫だからです。
おまけに三蹟のもうひとり小野道風の「屏風土代」・・・
図録からスキャンしました
を抱き合わせて売っています。
ご先祖の作品と、道風の作品。
定信はさぞかし奮発したことでしょう。
「はなはだ悦気をなす」わけです。
でも、この「物売女」が定信に売らなかったら、「来者」である私たちは、この2つの作品を目にすることができなかったかもしれませんね。
感謝です。
不明ですが、誰かの依頼でしたためたものです。
けれども、行成が筆を執った、長和、いや(笑)、寛仁2年から112年後の保延6年、藤原定信という人物が手にします。
その経緯が・・・
赤色の部分に記されています。
例によって原文は漢文ですが、読み下すとこうです。
『物売り女(め)、蓬門より入り来たりて、手本二巻、
一巻は野道風屏風土代、一巻はこの本を売る。
見るに、一定の由。価直を賜うに、女人はなはだ悦気を
なし、すなわち以て退出す。』
訳すとこうでしょうか。
『蓬門から物売りが入ってきて、書を売りに来た。ひとつは小野道風の屏風土台、
もうひとつはこの本である。一見して、確実なものだと分かったので、お金を
渡すと、女はたいそう喜んで、すぐに門から出ていった。』
要は訪問販売。
でも、この女性、結構やり手。
というのも、購入した藤原定信は、「白詩詩巻」の書き手、藤原行成の玄孫だからです。
おまけに三蹟のもうひとり小野道風の「屏風土代」・・・
図録からスキャンしました
を抱き合わせて売っています。
ご先祖の作品と、道風の作品。
定信はさぞかし奮発したことでしょう。
「はなはだ悦気をなす」わけです。
でも、この「物売女」が定信に売らなかったら、「来者」である私たちは、この2つの作品を目にすることができなかったかもしれませんね。
感謝です。