かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

まなぶはまねる

2013年08月29日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
昨日紹介した、小野道風筆『屏風土代(びょうぶどだい)』。

実は、拝観するのは二度目。

昨年、京都国立博物館で開催された“宸翰 天皇の書”展で熟覧していました。

宸翰とは「天皇がしるした書のこと」(同展示解説より)

歴代の天皇の書を一堂に集めた、おそらく例のない展示でしたが、それに道風の『屏風土台』が展示されていたのは・・・

伏見天皇臨模

伏見天皇(1265~1317)が、臨模(りんも。手本を見ながら真似ること)しているからです。

道風筆

道風筆のものは、その比較対照として展示されていたのです。

“和様の書”で再会して、“宸翰 天皇の書”展で2つの作品を行ったり来たりしたのを思い出しました。

ちなみに、土代とは下書きのこと。

屏風に和歌や漢詩を記すには、色紙形(しきしがた)という正方形の紙を貼ってそこに書くわけですが、色紙形に書くとはいえ、下書きをしてから本番に臨むわけです。

ですので、書体や文字配りなどいろいろ試されます。

そのため、一連のものでも多様な書体を楽しめ、それがかえって価値を高めているのです。

伏見天皇も、そうした作品だからこそ、書の鍛錬のために手元に置いて、真似したのでしょう。

『学ぶは真似る』ですね。
コメント
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