かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

民衆が信仰したもの

2014年04月11日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
渋沢敬三が生み出した言葉、民具。

民衆が作り、使ったものは、あまり価値が見いだされず、顧みられることはあまりありません。

にもかかわらず、そこに価値を見いだし、収集・保存した敬三はやはり偉大だというべきでしょう。

そんなことを思いながら、“屋根裏部屋の博物館”展を見終え、常設展を見ていたら古代のコーナーで民具を見つけました。



これは、瓦塔(がとう)・瓦堂(がどう)といって、奈良・平安時代に、本格的な塔や堂を建立できなかった者が、そのかわりに土器を作る技術を応用して作った、ミニチュアの塔と堂です。

 瓦塔

瓦堂

『身辺卑近の道具』ではありませんが、日々の信仰のために必要とされたものですから、感覚的には民具に近いといえるでしょう。

瓦塔・瓦堂は、村の建物の中に安置されていたので、伝世品は残されていません。

したがって、ここまで完全な形で出土するのはとても珍しく、この2つは重要文化財に指定されています。

埼玉県立歴史と民俗の博物館には何度か来ていますが、今まで常設展で見たことがなかったような・・・・

渋沢敬三の導きかもしれません。
コメント
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