介護保険が我が国に生まれ、すでにどのくらい経つのでしょうか。
私が寝たきりの両親を介護していた頃は、まだそのような制度はありませんでした。
ということは、まだ二十年も経過していないのですね。
急速な高齢化に向け、当然のようにできた福祉的な保険なのでしょうが、ついに我が家も、この制度を利用することになりました。
両親を介護していた当時は、週一回、父母が入退院を繰り返していた病院の訪問看護師のお世話になっていました。
その時は、私の手におえない症状があり、母が横たわるベッドの枕元には、医療品がいっぱい置かれていました。
まるで病室のような雰囲気でした。
ですから、訪問看護師さんをとても心強く感じたものです。
一方、多忙な暮らしながら、病院まで車で送迎したり、お茶を出したりとの気遣いで、結構大変だったとの記憶があります。
娘たちに言わせると、無用な気遣いのようですが・・・・・・。
私の性格上、そのようにしないと、気が済まないところがあるのですよね。
ゆえに、夫の担当医から、訪問看護師の定期的な訪問を勧められた時は、素直に受け入れられない気持ちが、どこかにありました。
恐らく、私が背骨の圧迫骨折をしてしまったことが、その助言の一番の理由だったのかもしれません。
でも断る勇気がなかった私。
「腰痛の身ですけれど、まだまだ一人で夫の介護と看護をする気力は十分あります」
と言えれば良かったのですが・・・・・・。
何だか身の程知らずの生意気なことを口にするようで、結局、受け入れてしまった私です。
病院の庭に咲いていた草花です。千日紅に似ていますが違うようです。
優しい色合いと、野の花ぽい佇まいに心惹かれました。
まず、病院のその方面専門の看護師さんが病室に見えました。
夫の承諾のもとに、別室にて、私と看護師さん二人だけで話し合いました。
とても優しい感じのよい方でしたから、緊張することなく、これまで行ってきた自分流の介護のやり方と気持ちの持ち方を素直に語ることができた私です
その看護師さんは、
「今の気持ちのままで今後も進めて下さい。
~さんの言われる通りだと思います」
と心から共感してくださいました。
そして夫が退院後間もなく、ケアーマネージャーさんが見え、今後の訪問看護計画を詳しく説明してくださいました。
その数日後、ケアーマネージャーさん、主任の訪問看護師さん、その方が所属する訪問看護リハビリステーションの所長さん三名揃っての訪問があり、更に詳しい説明を受けました
書類上での契約も交わしました。
その後、一週間ほどして、いよいよ訪問看護師のお世話に夫がなることに。
私からの希望ではありませんでしたが、病院側の配慮に感謝すべきことなのでしょう。
但し、保険がきくとはいえ、無料ではありません。
看護師の夫にかかわる時間がもし1時間半で週二回来ていただくと、ひと月およそ1万5千円弱の支払いとなります。
それが、料金の改正で、8月から1割の自己負担が2割に。
何と我が家が支払う金額がほぼ3万円に跳ね上がります。
必要に迫られた上でお願いでしたら、高いとは全く思わないでしょうが。
自分でできるのに、といった気持を抑え受け入れた私には、随分割高に感じられてしまいます。
高額療養費制度で、ひと月の医療費には上限がありますし、医療保険にも随分助けられている我が家です。
でも、医療費は入院費のみならず、医療用品、交通費等々、雑費もかさみます。
その上、介護費の支払いまであると、予想以上に額が膨らんでいく一方の我が家。
医療費負担が、家計にずっしり重くのしかかっています。
けれど一方、旦那さまの反応はどうでしょう。
寡黙で表情も変えない人ですから、私が感想を尋ねない限り、夫の本心がよく分かりません。
ですからむろん訊きました。
私には、喜んでいるように見えました。
それを見て、多少高くつくけれど、これで良かったのだわ、と納得した私です。
それに、私が想像した以上に、いろいろと夫の体の状態をチェックしてくださいます。
検温、血圧測定、酸素量、肺やお腹の状態など。
リハビリの運動指導もして下さいます。
前回は足の筋肉を鍛える運動を教えて下さいました。
私の質問にも、丁寧にしっかりと答えて下さり、大変心強く感じた私です。
お人柄もとても良さそう。
性格も明るくて、元気をいただけそう。
ふくよかな声の落ち着いたお話ぶりに、とても心が癒されるのですよ。
介護士さんは、看護師やケアーマネージャーさんと異なり、普通の主婦でも簡単な資格試験をパスすれば従事できます。
そのため、いろいろな方がおられ、問題も良く起きると聞いています。。
私の親友から、お母様のお世話をしてもらうに当たって、その点の苦労話を幾度か聞かせてもらいました。
但し、訪問看護士の支援は、医療行為のみに限られるでしょうから、どちらがいいのでしょうか。
ケヤマネージャーさんからも最初に、看護師でなく介護士の選択もありますよ、と言われました。
我が家の場合、夫のパウチ交換やドレーン挿入の患部の洗浄がありますから、選択の余地はないようにも思いましたが。
今後、長いお付き合いになることでしょう。
心から信頼できそうな看護師さんに巡り会えた幸運を感謝しつつ、和やかな良い関係を、できるだけ長く、いつまでも紡いでいけますように。
それが取りも直さず、旦那さまが長寿を全うすことになるのですから。
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花のように泉のように