墓参が終わり、次に向かったのが夫の親戚のお宅。
私の父方の親戚にも広島に在住の方がいらして、そちらにも、ご挨拶に伺わなくては、と思いつつ・・・・・・。
なぜかN先生のお宅に足が向いてしまいます。
90代の半ばにもうすぐなられる、ご高齢でいらっしゃること。
奥様は、幾度も重い病と闘い、入退院を繰り返しの歳月ながら、いつも気丈に頑張っていらっしゃること。
そのお姿に、強く心打たれてしまうせいかもしれません。
さらに、夫がお盆で帰郷した際、必ずN先生宅に寄っていました。
その遺志を継がなければ、との思いからです。
奥様は、広島では有名な老舗の和菓子屋さんのお嬢様でいらっしゃいました。
義父の世話で結ばれたお二人です。
今は度々襲い掛かる病のせいで、背中はすっかり丸くなられ、昔のようではもちろんありませんが。
凛ととし佇まいと品格はそのまま。
相変わらず、お美しいです。
その上、とてもおしゃれなお方。
この日も、エレガントなワンピースをお召しでした。
これは去年の写真ですが、今年も全くお変わりない雰囲気でいらっしゃいました。
御主人さまは、元産婦人科医。
とても愛妻家でいらっしゃいます。
その矜持を心にもって、穏やかながら、奥様同様に、年齢に負けることなく、人生をしっかりと歩んでおられる先生。
数か月前、道路で転んで頭にけがを負われたとのこと。
その時、通りすがりの人が、「救急車を呼びましょう」と声をかけられたのに、お断りになったようです。
「僕は、医師です。この程度のことで、救急車を呼ぶことはできません」
とおっしゃって。
いかにもN先生らしい、と思い、笑って聞き流すしかなかった私です。
内心では、ご高齢なのだから、無理は禁物ですよ、と思いましたけれどね。
健康には、医師の知識を生かして、存分に気を配られ、闘病中の奥様の体調管理も、徹底しておられるようでした。
お顔の色つやはよく、皺一つありません。
姿勢も実に良くていらっしゃいます
私には驚異に思えるほど。
感心するばかりでした。
ご高齢にもかかわらず、お二人の清々しい明るいお人柄と。凛とし佇まいは、私の今の目標です。
今回、いただいた御名刺。
サラリーマンは退職するとただの人ですが、90代になられても、こんな立派な肩書がついていました。
一時間半近くお邪魔したでしょうか、
そろそろお暇しなくてはならない時間に。
すると、お供えとタクシー券まで、また手渡してくださり、私は恐縮の至りでした。
次回からは、このようなお気遣いは決してなさらないでください、と強く申し上げました。
そうして頂きませんと、却ってご迷惑をかけてしまうようで、お邪魔しづらくなってしまいます。
タクシーのお迎えが来ました。
お玄関でお見送りくださるご夫婦に、車窓からいつまでも手を振って、お別れを惜しみました。
来年のお盆には、また元気なお姿を拝見できますように。
ひたすらそう祈りながら、駅に向かいました。
続く
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