かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

宇宙ステーションから眺める地球

2021-01-05 14:23:23 | 日記

宇宙飛行士野口さんが搭乗している国際宇宙ステーションは、地球のどれくらい高いところを周回しているのだろうと疑問に思って調べてみると約400kmだと教えられる。

3776mの富士山を100個以上重ねた高い高いところを飛んでいるなと驚くが、それでは、その400kmの高さから地球はどのように見えているのか、さぞや、まん丸い青い球形が目に入るのかなと思って、こないだのGoogleEarthを使ってみた。

パソコンのマウスをいじってドンドン縮小していくと高度がどんどん上昇していくので400Km程度のところで止めてみたのが下の写真。宇宙ステーションの小さな窓からは、まだ星となった地球は見えず、日本列島の全体像も視界に入らないくらい、地球はまだまだ大きく、星の上というより大陸の上空にいるという感覚だ。

 

   

 

高度432㎞のところからみると、やっと九州全体が一望できる程度だが、左端に朝鮮半島のプサンあたりまでが目に入る。対馬をはさんで日本と朝鮮がこんなにも近いのかと、あらためて驚く。これだと、古代から朝鮮(大陸)と日本の往来は容易だったと理解できる。なによりも、向こうの島を見ながら航行できたんだなと理解できる。

 

   

 

同じ高さで、九州の端っこから南西諸島に移動して見れば、鹿児島から奄美大島までがやっと視界の中に入り、同じ日本の沖縄は、遥か彼方だ。鹿児島からは、沖縄より朝鮮半島南部はずうっと近いことが分かる。

 

どうして、宇宙ステーションの小窓から九州を見ているかというと、昨日NHKBSでやっていた高倉健主演の2001年の映画「ホタル」を録画で鑑賞したばかりだから。降旗康男監督の作品で田中裕子さんが健さんの妻役。

健さんは鹿児島の知覧にあった飛行場から250k爆弾を積んだ戦闘機に乗り込んで、沖縄上陸をしようとしていた米国艦船に体当たりを食わせる命を受けた神風特攻隊の一員で生き残り兵の役。田中裕子さんは、健さんの上司で、健さんより先に沖縄に飛び立って帰って来なかったプサン出身の朝鮮人特攻隊少尉のいい名づけだったが、戦後、少尉の部下だった健さんと一緒になった女性役。

この映画で、朝鮮人も特攻隊員として「日本のために」命を落とした事実を知った(知覧平和記念館のHPによると知覧を飛び立って死んだ400人余の中に11人の朝鮮人もいたようだ。)し、戦後、志願兵なので「昭和天皇のために死んだ」とみなされた彼らは母国において「非国民」の扱いを受け、墓に入れてもくれないことも知ったし、昭和20年4月の特攻開始時以降、8月の終戦まで他の飛行場からの出撃も含め1000人以上の若い命が沖縄の海に消え去ったことも知ったし、その攻撃の大半が相手の艦砲射撃を受けて「目的を遂げないまま不本意に」藻屑となったことも知った。悲しいことではないか。

たとえ、映画であっても史実は厳として残っているのであって、この映画、ネトウヨらから様々な批判をうけたようだが、戦争の悲しさは万人のもので、悲劇を繰り返さないという意思は、どのような立ち位置にあっても持ち続けなければならんだろう。

余命いくばくもない妻役の田中裕子さんと健さんが、少尉の形見を遺族に届けようと夫婦として最後に旅したプサン近郊の集落と野山は美しかったし、健さんと裕子さんのしっとりとした演技も味わい深かった。いい作品だった。

チランとプサン、あんなに近いのに、なぜ両国のわだかまりは今も消えないのか。

チランとオキナワ、あんなに遠く、飛行時間は2時間30分だったという。燃料も片道分だけだったろうな。若者たちは、何を思ってエンジン音を聴いていたのだろう。

 

 

知覧特攻平和会館

 

 

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