昨夜、オーストラリアのウィーン学友協会で催されたニューイヤーコンサートは、はじめて無観客で行われたが、あらかじめエントリーしていてオンラインでにつながった世界中のファンの拍手がホールにこだまし、何百、何千人のファンの笑顔がモニターに映し出されるという趣向で、無観客のホールでウィーンフィル独自の柔らかな弦の音色がよく響いて、ムーティの指揮棒と楽員の演奏も熱を帯びていたし、恒例のアンコール「青きドナウ」と「ラデツキー」の演奏が終わるやいつになく目頭が熱くなった。(深酒のせいか)
当地オーストリアは、先月から再ロックダウン中で、ウィーンの街はヒトの流れが止められているようだが、そんな事態でもニューイヤーを開催したのは「放映権益」というものもあっただろうが、ロックダウン中という危険を冒しながらも、巣ごもり中の世界中のヒトビトへの熱い音楽のエールを何としてでも届けたいという音楽家たちとオーストリア国家の熱い思いなのだろう。その願いは、オイラを含め全世界に届いたんだろうと信じたい。経済よりも命を守ろうと決意した静かな街の一隅に灯る魂というところか。
翻って我が国の新年の状況はどうだ。首都圏では、為政者の外出自粛のゆるゆる要請のおかげか、例年の4割に減ったとはいえ、逆に言えば要請を聞かないで4割のヒトビトが首都圏では不要不急に出歩いている状況だ。箱根駅伝沿線には主催者の「沿道での応援はお控えください」と呼びかけられているにもかかわらず、多くの老若男女が応援しているし、大学ラグビーの秩父宮の観客席は大方ヒトで埋まっていた。街には、お目当ての「福袋」めあてに紳士淑女が列をなしているし、出歩いているヒトビトは、インタビューされてもばつの悪そうなコメントはない。
こんなんだから、年明けの来週あたりからさらにコロナ感染者は、「指数関数的」にふえていくのだろう。
で、ことの深刻さをやっと分かり始めた首都圏のタヌキ知事ほかクビチョウさんたちが「緊急事態命令の要請」に、今日の午後官邸に向かったが、政府の対応は何もかも遅すぎて、キツネ大臣は、「来週、専門家の意見を聞いてから」とコメントしたとの報道。なので、爆発的に拡大している首都圏での緊急事態の発令は、はやくとも、4、5日あとということになるのだろう。
こんなんだから、来週以降の感染者数と入院もできないヒトビトの悲痛な声に目を覆いたくもなるし、耳をふさぎたくもなるのだろう。
日本にまだロックダウン制度は確立されていない状況下で、ガースー様が棒読みする「緊急事態宣言」は、どういう内容なのだろう。だいたい、予想されるのだが、「経済にも配慮した、抜け穴にあふれた中途半端で生ぬるい宣言」なのだろう。
楽しみな1月10日からの大相撲初場所(両国)と11日のラグビー大学選手権決勝(国立)だが、開催するとしても「無観客」に移行しているか否か、これが為政者や主催事業主たちの「本気度」を見極める試金石となろう。
昨夜のNHKEテレから