【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー05 一期一会 部下を育てる~一生に一度の機会として誠意を持って対峙する~
四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
■ 第4章 判断力を養いベターな意思決定
ビジネスだけではなく、日常生活におきましても、私たちから「判断」をするという作業を切り話すことはできません。同じ状況においても、人により判断結果は異なります。例え論理思考で現状や状況分析をキチンとできても、また例え思考力の高い人でも、判断の仕方次第でものごとがうまくいくこともあれば、うまくいかなかったり、さらには悪循環に陥ってしまったりすることもあります。
四字熟語の中には、私たちが判断に迷わないように、また迷ったときのヒントを与えてくれたりもします。迷ったときに、答を教えてくれるわけではありませんが、解決の糸口が見つかりやすくなったり、解決の時間を短縮してくれたり、よりよい解決策を見出したり、現状が悪化するのを防いでくれたりと、ヒントを与えてくださる時にはそれにより助けられることもあるでしょう。
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ビジネスだけではなく、日常生活におきましても、私たちから「判断」をするという作業を切り話すことはできません。同じ状況においても、人により判断結果は異なります。例え論理思考で現状や状況分析をキチンとできても、また例え思考力の高い人でも、判断の仕方次第でものごとがうまくいくこともあれば、うまくいかなかったり、さらには悪循環に陥ってしまったりすることもあります。
四字熟語の中には、私たちが判断に迷わないように、また迷ったときのヒントを与えてくれたりもします。迷ったときに、答を教えてくれるわけではありませんが、解決の糸口が見つかりやすくなったり、解決の時間を短縮してくれたり、よりよい解決策を見出したり、現状が悪化するのを防いでくれたりと、ヒントを与えてくださる時にはそれにより助けられることもあるでしょう。
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■ 4ー05 一期一会 部下を育てる
~ 一生に一度の機会として誠意を持って対峙する ~
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「一期一会(いちごいちえ)」とは、千利休の言葉として、茶道に由来する和製四字熟語として、広く知られています。茶会に臨むにあたり、このような出会いや機会は、一生のうちで二度と訪れることがないかもしれないので誠意を持って対応すべきという意味です。
山上宗二記に「路地ヘ入ルヨリ出ヅルマデ、一期ニ一度ノ会ノヤウニ、亭主ヲ敬ヒ畏(かしこまる)ベシ」という一文が残されています。「一期」は、「いちき」と読む人がないといわれるほど、その読みはよく知られています。「一期」は、もともとは仏教語で、「人が生まれてから死ぬまでの間」、すなわち一生をあらわす言葉です。
「この一瞬は二度と巡り会えないかもしれませんので、最高のおもてなしをしなさい」ということから、神経を集中して、ベストを尽くしなさいという戒めです。
人間の集中力というのは、われわれ凡人では三分くらいしか持続しないと言われています。また、集中しているつもりでも、ちょっとした気の緩みから集中状態が崩れ、失敗に繋がることがあります。それを戒めるのが、徒然草の「高名の木登り」の話です。
「高名の木登りといひし男・・・」で始まります第百九段に登場します。弟子の職人が高いところで梢を切っているときには何も言わなかったのにもかかわらず、軒の高さほどになり、もうすぐ地上に近いところまで下りて来たときに「あやまちすな。心して降りよ」と声をかけて注意を促したのです。
怖さを感じる高所にいるときには、自分自身で注意をしますけれど、地上近くなりますと怖さも薄れ、つい気が緩み、木から転げ落ちるミスに陥りやすいという教えです。
私がかつて会社勤務一年生であったときに、私の同僚が、ケアレスミスを起こしました。その時に、私も一緒に作業をしていましたので、彼をかばおうと「解っていながら、ちょっとした気の緩みでのミスで、私でも起こしかねないことです」と言いました。課長は、私に「ケアレスミスを軽視するな」と厳しく注意してくれたときに、徒然草のこの段を引用してくれたのです。
私が若い頃に「ZD運動(ZeroDefects)」というのが、社員研修でさかんに叫ばれました。「無欠点で仕事をしようという標語であり、1962年に航空機の製造会社であったアメリカのマーチン・マリエッタ社のミサイル生産現場における作業改善運動が始まり(【Wikipedia】)」のことです。課長が言いたかったのは、ZD運動を知らないわけではないでしょうに、それを軽視するような私の発言を重要視してくれたのです。
このことから、大いに反省し、近年「ヒヤリ・ハット」ということが叫ばれるようになりますと、その課長の顔を思い出し、自分を戒めています。「ヒヤリ・ハット」は、ちょっとしたミスで、重大なことに繋がりそうなことを、間一髪で避けることができ、結果として大事に至らなかったために、看過されてしまうことがないようにする注意喚起用語です。
ヒヤリとしたりハッとしたりしりするものの、大事に至れば、大いに反省はしますが、「ミスにならなくて良かった」と思って、直ぐに忘れてしまいがちです。人命に関わる医療現場では、非常にこの意識が高くなってきていますが、まだまだ一般の企業ではその意識が低いところが多いです。
重大な事故が発生した際には、その予兆としてのヒヤリ・ハットが顕在化していないことが多いです。そこで、ヒヤリ・ハットの事例を集め、共有化して共通認識することが、重大なミスや事故防止に繋がると考えます。ハインリッヒの法則というのがありまして、「重大事故の陰に二九倍の軽度事故と、三〇〇倍のニアミスが存在する」と言われています。
人を育てることは難しいです。仕事を指示するときに、新入社員が相手なら、どの様なやるのか、手順や方法、ポイントなどをしっかり伝えて仕事に取り組んでもらいます。しかし中堅社員を相手にするときには、その仕事の目的は何かをキチンと伝え、方法論などは相手に任せることです。
中堅社員などを育てるときのポイントとして、私が重視していることの一つが答えを言わず、失敗させる、考えさせる、矛盾に取り組ませるということを基本にしています。人間というのは、自分が気づかないと同じ失敗を繰り返すものです。部下を本当に共育しようと思ったら、部下に失敗させ、部下に上司である自分が叱られたり、恥をかいたりすることを怖れないことです。部下も、自分の代わりに自分の樹脂がそのような思いをしたら、二度と同じ失敗を繰り返すまいと努力をしてくれるのです。
実務や研修では、答えを言わず、失敗させる、考えさせる、矛盾に取り組ませるということを基本にしています。すなわち、答えは知識や経験をベースに、ひらめきから得ることが重要であると考えているのです。
ところが、中堅どころであるにもかかわらず、この方法が通じない社員も結構います。その場合には、一ランク下げた形で指示を出します。すなわち、目的だけではなく、方法論としてどの様なやり方を相手が考えているのか指示を出すときに確認するようにします。相手によっては、「この作業のポイントは何だろう」と相手に考えさせ、必要に応じて適切なアドバイスをします。
それでも成長しない社員がいる時には、失敗事例集の中から、事例を選んで、会議の場をOJT研修の場として流用するようにします。この事例は、課長に恥をかかせてしまったあれのことだと言うことを皆が知っています。同じ失敗を繰り返さないように皆で知恵を出し合います。その過程で、当該者が自分自身に問題あることを認識してきます。爾後、同じような失敗を繰り返しますと、他の社員の目が厳しくなり、管理職がいなくても当該者の意識が変わらざるを得ません。きめの細かいコミュニケーションで社員を育ててゆきましょう。
社員の育成には「不撓不屈(ふとうふくつ)」という四字熟語を社員に浸透させるのが効果の上がる方法のひとつです。「撓」は「たわむ」ですので、「不撓不屈」は、「たわむことなく、また屈することのない」となります。このことから「強固な意志を持っていれば、どのような辛苦や困難にもくじけない」という意味で使われます。「不屈不撓(ふくつふとう)」と表記することもあります。
社員が不撓不屈の精神でもって努力するようになりますと、企業は組織で動くことができ、協力軍団として管理職の下で「三面六臂(さんめんろっぴ)」の活躍するようになるでしょう。「三面」は「三つの顔」、「臂」は肘や腕のことですので、「三つの顔や六つの腕を持つ」という意味から、「三面六臂」とは「一人で百人力を発揮し、多方面で活躍をする」という意味です。
また、「獅子奮迅(ししふんじん)」の活躍という四字熟語もあります。「奮迅」は「激しく奮い立つ」という意味ですので、「志士が猛々しく奮い立つような激しい勢いで、猛烈に物事に取り組む」という意味で、「活躍」という言葉を強調するときに使います。
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~ 一生に一度の機会として誠意を持って対峙する ~
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「一期一会(いちごいちえ)」とは、千利休の言葉として、茶道に由来する和製四字熟語として、広く知られています。茶会に臨むにあたり、このような出会いや機会は、一生のうちで二度と訪れることがないかもしれないので誠意を持って対応すべきという意味です。
山上宗二記に「路地ヘ入ルヨリ出ヅルマデ、一期ニ一度ノ会ノヤウニ、亭主ヲ敬ヒ畏(かしこまる)ベシ」という一文が残されています。「一期」は、「いちき」と読む人がないといわれるほど、その読みはよく知られています。「一期」は、もともとは仏教語で、「人が生まれてから死ぬまでの間」、すなわち一生をあらわす言葉です。
「この一瞬は二度と巡り会えないかもしれませんので、最高のおもてなしをしなさい」ということから、神経を集中して、ベストを尽くしなさいという戒めです。
人間の集中力というのは、われわれ凡人では三分くらいしか持続しないと言われています。また、集中しているつもりでも、ちょっとした気の緩みから集中状態が崩れ、失敗に繋がることがあります。それを戒めるのが、徒然草の「高名の木登り」の話です。
「高名の木登りといひし男・・・」で始まります第百九段に登場します。弟子の職人が高いところで梢を切っているときには何も言わなかったのにもかかわらず、軒の高さほどになり、もうすぐ地上に近いところまで下りて来たときに「あやまちすな。心して降りよ」と声をかけて注意を促したのです。
怖さを感じる高所にいるときには、自分自身で注意をしますけれど、地上近くなりますと怖さも薄れ、つい気が緩み、木から転げ落ちるミスに陥りやすいという教えです。
私がかつて会社勤務一年生であったときに、私の同僚が、ケアレスミスを起こしました。その時に、私も一緒に作業をしていましたので、彼をかばおうと「解っていながら、ちょっとした気の緩みでのミスで、私でも起こしかねないことです」と言いました。課長は、私に「ケアレスミスを軽視するな」と厳しく注意してくれたときに、徒然草のこの段を引用してくれたのです。
私が若い頃に「ZD運動(ZeroDefects)」というのが、社員研修でさかんに叫ばれました。「無欠点で仕事をしようという標語であり、1962年に航空機の製造会社であったアメリカのマーチン・マリエッタ社のミサイル生産現場における作業改善運動が始まり(【Wikipedia】)」のことです。課長が言いたかったのは、ZD運動を知らないわけではないでしょうに、それを軽視するような私の発言を重要視してくれたのです。
このことから、大いに反省し、近年「ヒヤリ・ハット」ということが叫ばれるようになりますと、その課長の顔を思い出し、自分を戒めています。「ヒヤリ・ハット」は、ちょっとしたミスで、重大なことに繋がりそうなことを、間一髪で避けることができ、結果として大事に至らなかったために、看過されてしまうことがないようにする注意喚起用語です。
ヒヤリとしたりハッとしたりしりするものの、大事に至れば、大いに反省はしますが、「ミスにならなくて良かった」と思って、直ぐに忘れてしまいがちです。人命に関わる医療現場では、非常にこの意識が高くなってきていますが、まだまだ一般の企業ではその意識が低いところが多いです。
重大な事故が発生した際には、その予兆としてのヒヤリ・ハットが顕在化していないことが多いです。そこで、ヒヤリ・ハットの事例を集め、共有化して共通認識することが、重大なミスや事故防止に繋がると考えます。ハインリッヒの法則というのがありまして、「重大事故の陰に二九倍の軽度事故と、三〇〇倍のニアミスが存在する」と言われています。
人を育てることは難しいです。仕事を指示するときに、新入社員が相手なら、どの様なやるのか、手順や方法、ポイントなどをしっかり伝えて仕事に取り組んでもらいます。しかし中堅社員を相手にするときには、その仕事の目的は何かをキチンと伝え、方法論などは相手に任せることです。
中堅社員などを育てるときのポイントとして、私が重視していることの一つが答えを言わず、失敗させる、考えさせる、矛盾に取り組ませるということを基本にしています。人間というのは、自分が気づかないと同じ失敗を繰り返すものです。部下を本当に共育しようと思ったら、部下に失敗させ、部下に上司である自分が叱られたり、恥をかいたりすることを怖れないことです。部下も、自分の代わりに自分の樹脂がそのような思いをしたら、二度と同じ失敗を繰り返すまいと努力をしてくれるのです。
実務や研修では、答えを言わず、失敗させる、考えさせる、矛盾に取り組ませるということを基本にしています。すなわち、答えは知識や経験をベースに、ひらめきから得ることが重要であると考えているのです。
ところが、中堅どころであるにもかかわらず、この方法が通じない社員も結構います。その場合には、一ランク下げた形で指示を出します。すなわち、目的だけではなく、方法論としてどの様なやり方を相手が考えているのか指示を出すときに確認するようにします。相手によっては、「この作業のポイントは何だろう」と相手に考えさせ、必要に応じて適切なアドバイスをします。
それでも成長しない社員がいる時には、失敗事例集の中から、事例を選んで、会議の場をOJT研修の場として流用するようにします。この事例は、課長に恥をかかせてしまったあれのことだと言うことを皆が知っています。同じ失敗を繰り返さないように皆で知恵を出し合います。その過程で、当該者が自分自身に問題あることを認識してきます。爾後、同じような失敗を繰り返しますと、他の社員の目が厳しくなり、管理職がいなくても当該者の意識が変わらざるを得ません。きめの細かいコミュニケーションで社員を育ててゆきましょう。
社員の育成には「不撓不屈(ふとうふくつ)」という四字熟語を社員に浸透させるのが効果の上がる方法のひとつです。「撓」は「たわむ」ですので、「不撓不屈」は、「たわむことなく、また屈することのない」となります。このことから「強固な意志を持っていれば、どのような辛苦や困難にもくじけない」という意味で使われます。「不屈不撓(ふくつふとう)」と表記することもあります。
社員が不撓不屈の精神でもって努力するようになりますと、企業は組織で動くことができ、協力軍団として管理職の下で「三面六臂(さんめんろっぴ)」の活躍するようになるでしょう。「三面」は「三つの顔」、「臂」は肘や腕のことですので、「三つの顔や六つの腕を持つ」という意味から、「三面六臂」とは「一人で百人力を発揮し、多方面で活躍をする」という意味です。
また、「獅子奮迅(ししふんじん)」の活躍という四字熟語もあります。「奮迅」は「激しく奮い立つ」という意味ですので、「志士が猛々しく奮い立つような激しい勢いで、猛烈に物事に取り組む」という意味で、「活躍」という言葉を強調するときに使います。
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