水芭蕉;花言葉は変わらぬ美しさ。サトイモ科の大形多年草。本州以北の山地の湿原に群生する。尾瀬沼が歌にもなり有名である。5,6月にかけて雪解けの湿原に高さ20㎝ほどの密集した花穂が出るが、花そのものよりも花穂を包む雪白色の仏炎苞の美しさが賞でられる。葉が芭蕉に似ている。「石狩の雨おほつぶに水芭蕉 飯田蛇忽」「花と影ひとつに霧の水芭蕉 水原秋櫻子」「水芭蕉ひらきし花の一頁 平畠静塔」「噴煙や鉄の匂ひの水芭蕉 中村苑子」「漂ひて老年は過く水芭蕉 六本和子」「帆をあげて天界めざす水芭蕉 三嶋隆英」「流水は光となれり水芭蕉 倉橋羊村」「水芭蕉終りし花を水が過ぐ 加藤瑠璃子」「一花咲きたちまち百花水芭蕉 たむらちせい」「水芭蕉苞は子を抱く母に似て 畑内節子」「しろがねの水の中より水芭蕉 斎藤信義」「花と影ひとつに霧の水芭蕉 水原秋櫻子」「水芭蕉ならぬ話や水鏡 阿波野青畝」「七採の日がふりかかり水芭蕉 岡田日郎」「野兎わたる濁りすぐ消ゆ水芭蕉 沢田緑生」「水芭蕉よりも明る君等かな 大澤博}「陰陽の陰のまぶしき水芭蕉 渡辺恭子」「影つねに水にながされ水芭蕉 木内玲子」「稜線は雲を隔てて水芭蕉 寺岡稜子」「水芭蕉溜息とどくほどの距離 吉田朱籠」「水芭蕉水を抜けゆくほどの距離 吉田朱鷹」「水芭蕉水を抜け行く水の音 橋上 暁」。今は昔いつ頃か忘れたが、愚生も一人で尾瀬沼を訪れた記憶がある。壮大な尾瀬沼集中した水芭蕉の群落の美しさに驚いた想い出がある。(水芭蕉ふたつの夢見相似たる ケイスケ)。