菖蒲;白菖;菖蒲髪。花言葉は、心意気。サトイモ科の多年草で、池や川の緑地に群生する。根茎は水底の泥中に横たわり白または淡赤色で伏しが多い。初夏,花茎のなかほどに黄緑色の小花を棒状に密生。葉は長剣状で50~90㎝、明瞭な中肋ある平行脈が走り、その艶々しい緑には高い芳香剤があり、端午の節句には菖蒲湯にする。根茎を乾かして菖蒲根とよび、健胃薬にする。白菖はショウブの漢名。白昌とも書く。古名はアヤメだが、アヤメ科のアヤメなどの類とは葉の形が似るだけで別種。「しゃうぶうをも水巻となす川辺かな 立 圃」「あやめ生ひけり軒の鰯のされこうべ 芭 蕉」「あやめ草足に結ばん草履の緒 芭 蕉」「あやめ草綾の小路の夜明けかな 青 藍」「夜蛙の声となりゆく菖蒲かな 水原秋櫻子」「菖蒲剪つて盗みめくなり夕日射 石田波郷」「乾坤に根引の菖蒲よこたはる 三橋敏雄」「菖蒲髪して一人なる身の軽さ 田畑美穂女」「友舟へ白蒲一本ながしけり 星野恒彦」「京へつくまでに暮れけりあやめぐさ 田中裕明」「菖蒲葺く千住は橋にはじまれり 大野林火」「軒菖蒲胸に切先ふれて葺く 杉山岳陽」「安達太良の見ゆる家ごとの菖蒲葺く 秋山岳陽」「軒先に胸に切先触れて葺く 石田あきこ」「幸さながら青年の尻菖蒲湯に 石田あきこ」「菖蒲湯の香に染みし手の廓どと 及川 禎」「花菖蒲ただしく水にうつりけり 久保田万太郎」「白波のごとくはるかに白菖蒲 山口青邨」「咲き垂れて背丈定まる花菖蒲 秋元不死男」「きれぎれの風の吹くなり菖蒲園 波多野爽波」「花菖蒲紺まひるは音もなし 中島斌雄」「菖蒲田の夕日に浮かぶ花となりぬ 松本たかし」「あやめ咲く野のかたむきに八ヶ岳 木村蕪城」。(おもわざる夕月一葉地にけむる ケイスケ)。