ゼラニューム(フウロ草科)花言葉は、尊敬と信頼。ヨーロッパの窓辺でよく見かけられる色鮮やかな花。最近は日本のベランダでも見られるるようになりました。この花は、葉に特徴の香りがあり、虫が室内に入るのを防ぐのが目的です。花色は朱色、ピンク、サーモンピンクなど。吊り鉢仕立てにして四方に葉を伸ばすアイビーゼラニューム、薔薇やミント、レモンなどに似た香りのセンテットゼラニュームなどもあります。「ゼラニユ-ウム紅しあまりに焦土広し 殿村莵絲子」(風まかせ 香リ放てよ フウロ草 ケイスケ)
九輪草(サクラソウ科)北海道、本州、四国の山地の湿地に生え、観賞用に栽培される。葉は地ぎわから多数生える。観賞用に栽培される。長さ10㎝~20cmの長楕円形で、縁に不規則な鋸歯がある。5~6月、葉間から高さ40~80cmの花茎を伸ばし、上部に径2.5cmほどの花を数段に分けて輪生する。花は紅紫色または白色で、花冠が5裂した筒状花。重なって咲く様子が搭の九輪に似るので「九輪草」の名がある。●名前からもわかるように、茎の節ごとに花をつけ、何段かに層をなすところに特徴がある。可憐な中に野性味も感じさせる。「九輪草径きれぎれに沢あふれ 原 邦雄」「牛去りし泉に赤し九輪草 相場 遷子」「九輪草山氣のここに凝りし紅 角川 照子」「九輪草四五輪草で仕舞けり 一 茶」(暮れかかる 山地に咲けり 九輪草 ケイスケ)
シャクナゲ;石楠花(ツツジ科ツツジ属)花言葉は威厳。常緑低木。広くは日本原産種。西洋石楠花及び園芸品種なども含むが、狭義には東日本の山地から深山の岩場などに生える「東石楠花」を指す。長さ1~6m。葉は皮質で長楕円形。表面は深緑色で光沢があり、裏面は淡褐食の蜜毛を生ずる。5~6月、漏斗状鐘形で五裂の花を多数開く。花色は白色または淡紅色。他にも「白山石楠花」や「筑紫石楠花」など、高山、亜高山に多く生える。庭には、暑さに強く育てやすい。西洋石楠花の園芸品植が植えれる。黄や赤、紫などの花色もあり、花も大きく華やかで美しいが、渓谷などに自生している花に趣がある。雲,霧、山の湿氣、瀧の音、谷川の流れなど、山の景の中で詠まれたものが多い。「石楠花に手を触れしめず霧通う 日田亜浪」「石楠花によき墨とゝき機嫌よし 杉田久女」「空の深きさびし石楠花さきそめぬ 角川源義」「石楠花や水櫛あてて髪しなふ 野沢節子」「石楠花や塔も小振りに女人寺 田村糸女」「石楠花に渓流音をなせりけり 清崎敏郎」「鬼岩渺々石楠花紙のごとく咲く 松本澄江」「石楠花や姉妹に纎き女偏 河野多」「石楠花や主峰の薙の男ぶり 水沼三郎」「石楠花の紅ほとばしる雹の後 岡田貞峰」「薬湯をたてて石楠花ざかりかな 吉本伊知朗」「ピッケルに石楠花が映える単独行 菅原達也」。(咲き満ちて 石楠花の丘 白が映え ケイスケ)
ショウブ;菖蒲(サトイモ科)花言葉は、心意気。古来、節供は邪気を払う日であった。その中で端午の節句には薬草の菖蒲を用いて邪気を払った。この菖蒲はサトイモ科の植物で、花菖蒲はアヤメ科の植物ではない。「菖蒲葺く」とは、菖蒲を軒下に挿して家から邪気を払うのであり、「菖蒲挿す」ともいう。葺いた菖蒲が「軒菖蒲」である。薬草の蓬も菖蒲と合わせて葺かれたり菖蒲の代用として葺かれたりする。端午に用いる菖蒲を刈ってくることを「菖蒲引く」という。またこの日には銭湯でも各家庭でも菖蒲湯をたてる習わしである。「菖蒲葺き海道の町折れる 百合山羽公」「菖蒲葺く千住は横にはじまれり 大野林火」「安達太良の見ゆる家毎の菖蒲葺く 杉山岳陽」「軒菖蒲に切先触れて葺く 石田あき子」「幸さながら青年の尻菖蒲湯に 秋元不死男」「菖蒲湯の香に染し手の厨ごと 及川 貞」(菖蒲湯に 菖蒲忘れて 薬用湯 ケイスケ )
花水木(ミズキ科)花言葉は、公平にする。落葉小高木のアメリカ山法師の花。4月末、葉の出る前にたくさんの花をつける。白と紅があり4枚の花びらの先に切り込みがあるのが特徴。街路樹や庭木として植えられる。山地や雑木林に自生する別種の水木は、5~6月、枝先の散房花序に小さな白い花を密につける。枝は扇形に広がり、遠望すると雪をかぶったようである。幹に樹液が多く、材は下駄、箸、器具に用いられる。「一つづつ花の夜あけの花みづき 加藤楸邨」「くれなゐの影淡くゆれ花水木 小島花枝」「花水木咲き新らしき街うまる 小宮和子」。「尾根下る水木の花を下に見て 八木澤彷徨子」「水木咲く高さ那須嶽噴く高さ 斎田鳳子」。(花水木 街路を飾り 山白水木 ケイスケ)
水芭蕉(サトイモ科)花言葉は、変らぬ美しさ。兵庫県以北の冷涼な地域の水湿地に生える。尾瀬ヶ原は特に有名である。5~7月、葉の萌芽と同時に、楕円形の白い仏炎苞の中に棒状の内穂花序を作る。花序は長さ約10㎝、花は小さい。花後に伸びる葉は狭長楕円形で肉が厚く、長さ80cm、幅30cmにもなり、芭蕉の葉に似る。平地だと3~4月に開花する。光背のような白い苞が美しいが、それに包まれるように鎮座している花穂にも注目したい。『水芭蕉水さかのぼるごとくなり 小林康治』水芭蕉の花は湿地に咲くので、この句にいわれているような情景が、すなをに思える。あたりは、とてつもなく静かで、風もかすかに吹いていて、孤独をあじあうことが出来る。「花と影ひとつに霧の水芭蕉 水原秋桜子」「水芭蕉ならぬはなしや水鏡 阿波野青畝」「七彩の日がふりかかり水芭蕉 岡田日郎」「野兎わたる濁りすぐ消ゆ水芭蕉 沢田緑生」「陰陽の陰のまぶしさ水芭蕉 渡辺恭子」「影つねに水に流され水芭蕉 木内怜子」「稜線は雲を隔てて水芭蕉 寺岡撓子」「水芭蕉溜息とどくほどの距離 吉田朱鷺」「水芭蕉水を抜けゆく水の音 橋上 暁」(水芭蕉白妙かさね水ながる ケイスケ)
虫取撫子(ナデシコ科)花言葉は、青春の愛。ヨーロッパ原産の一年草。切り花や花壇用に栽培される。草丈50~60cm、茎は細く直立し、先のとがった葉は対立する。頂部に小さな花が多数つき、可憐な花なので「小町草」とも呼ばれる。花色は桃、または白。茎の上部に粘液環があり、分泌した液がねばうき、虫がつくので、「虫取撫子」「蠅取撫子」の名がある。10月に花壇に種を蒔くと、翌年5~7月に開花。野原や道端などに野生化しているものもある。「野仏の供華に虫取撫子 松崎鉄之介」「虫取撫子宮司の家のがらんどう 大木律子」「奥津城に刈りのこされし小町草 加藤射水」。ゴールデンウイークなのに、気温は3月のように、裏日本や北国では、降雪の予想が出る始末、冬着や毛布を再び取り出す始末。気候の変化が激し。「八十八夜の分かれ霜」と言われ、立春から数えて88日目、5月2日頃を言う。そろそろ天侯も安定しそうなものだが、移りゆく自然の美も激しく変動している。「二日三日 身に添いかねぬ 袷かな 千代女」。(重ね着に 身を固めたる 寒さかな ケイスケ)
鈴蘭(ユリ科)花言葉は、純愛;希望。北海道の低地草原や本州中部以北の山地に生える。2枚の葉は長さ約15cmの楕円形で先がとがり、基部は鞘状で互いに抱き、裏面は白色鐘状の花を約10個総状につける。果実は球形で赤く熟す。園芸店で売られている鈴蘭は同族異種のドイツ鈴蘭で、ヨーロッパ原産。日本の鈴蘭より花も大きく、香りも強い。「鈴蘭の葉をぬけて來し花あはれ 高野素十」「鈴蘭の谷や日を漉く雲一重 中村草田男」「すずらんのりリりりりりと風にあり 日野草城」「鈴蘭の花山塊を川離れ 飯田龍太」「鈴蘭やまろき山塊牧をなす 大島民郎」。(鈴蘭の 香をり芳し 畔のきわ ケイスケ)MAY 大地の女神はみずから この五月の朝を飾り また 子供たちは どこまでも どこまでも 谷という谷の両側をうめて咲き乱れる 花を摘み また暖かく日は輝き 幼児は 母の胸にはしゃぐこのとき いまこそ うたえ 鳥たちよ うたえ悦びの歌を 小太鼓の響くように 仔羊を跳ね踊らせよ 私たちも 想いはひとつ おまえたちとともに笛吹ならし 舞い遊ぶ 今日この日 ひたすらに 五月の悦びを 抱き取るもの ”頌詩”w.ワーズワーズ。『イーディス.ホールデン:カントリー:ダイアイーより』