川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

希望はここにある 6・29首相官邸前

2012-06-30 08:59:14 | 自然と人間(震災・津波・原発事故)

6月29日(金)☼

 6時過ぎから首相官邸を斜め前に観る衆議院南通用門前に腰を下ろしました。門の脇の一角をなんとか確保することができました。僕は抗がん剤の副作用で下肢がしびれており長時間歩道に立ち尽くすことは困難なので車道の反対側の「集会」には参加せず、言わば対岸からエールを送ることにしたのです。

 しかし、人の波が間断なく続いて「対岸」は見えません。地下鉄の駅から「集会」に参加する人々が国会正面方向に動いていくのです。その密度は満員電車の中ぐらいです。ぼくの目に映るものは人々のお尻や脚ばかり。時々、バギーに乗せられたこどもの表情も。大丈夫かな、という人の群れですが殺気だった気配は微塵もなく、赤ちゃんに怯えた表情はありません。

 僕のすることは周囲の人々に和して「再稼動 反対」と低い声を出すだけです。参加者の中で最も低い地上近くからの声です。時には僕の声がほかの人々のリードをする形になることもあります。そんな時には途切れないように精一杯声を出します。

 「再稼動 反対!」「再稼動 反対!」「再稼動 反対!」‥

 7時半頃になって咳が出るようになったので立ち上がることにしました。足が冷えてきたのです。人垣のむこうが見えてきました。驚くことに車道ももう人の波です。携帯で写真や動画を撮りました。

 60年6月15日にはここで樺美智子さんが死にました。全学連(全国学生自治会連合)主流派のデモが国会構内に突入しようとして機動隊と衝突したのです。

 今ここに警官の姿は影も形もありません。6時過ぎには南通用門を守るかのように警官が並び、人々が門には近づけないようにブロックしていたのですがそれが人の移動の邪魔になっていたのです。

 知性を感じさせる若い女性の姿が目立ちます。衆議院南通用門の真ん前に立って「再稼動 反対!」。果てることなく続きます。気がつくと僕のすぐ右隣で白人の女性が「再稼動 反対!」を叫んでいます。言葉も表情もキリッとしています。

僕の目が潤んできました。日本にもようやく民主主義の広場が出来、しっかりと自己表現ができる若者がこんなにも出現したのです。

 東日本が人も獣も住めない荒野になるかもしれない命の危機にまで追い詰められて人々がようやく立ち上がり始めたのです。遅きに失したかもしれないけれど、「希望がここにある」。そう感じたのです。

 やがて大きな警察車両が4台、首相官邸前に並べられて、国会正面方面への通路を完全に遮断しました。なんのためなのか?広場となった道路に蝟集する人々を守るためか?官邸を人々から守るためか?

 若い女性の演説が聞こえてきました。終わると大きな拍手。隣の青年に通訳してもらいました。

 今日はたくさんの人が集まってこれ以上の集会の継続は無理だ。混乱が起きると来週から集まれなくなる。足元に気を付けて帰路に就こう。周りの人々を誘って次回は5倍にしよう。

 耳の遠い年寄りにわかるようにてきぱきと教えてくれ、握手をしてくれました。

8時ちょうどまで「再稼働 反対!」の声を擧げてぼくも帰路に就きました。衆参議員会館の前を通って有楽町線永田町駅へ。スムーズな人の流れ。おり良く川越市行き電車。車中からFacebookに写真を送るがうまくいかない。

 人々の思いがツイッターなどで伝わり、今日の集まりになった。ほとんどの人が携帯で写真や動画をとっているように見えた。新しいメディアの誕生だ。この人たちのあとに僕もついていく。せっかくのiPhoneを活かせるようになりたいものだ。

 

 

 (出典●http://mainichi.jp/graph/2012/06/30/20120630k0000m040057000c/013.html

参考ブログ●http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2064.html


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