【川越だより】のアクセス・ランキング
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過去3週間の閲覧数・訪問者数とランキング(週別)
日付 閲覧数 訪問者数 ランキング
2010.05.09 ~ 2010.05.15 5786 PV 1494 IP 4721 位 / 1410225ブログ
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5月15日(土)つづき
ロビーのTVで「遙かなる絆」の撮影ドキュメントを見たあと会場を研修室に移して城戸久枝さんとの交流のひとときが始まった。床に車座になった。足が痛くて椅子に座っている人もいる。ぼくが司会する。
○ドラマと実際
夫君と並んで座っている城戸さんにドラマの中では城戸さんの恋人?役の人(劉成さん)がいたがその方は今どうしているのかと聞いてみた。
「遙かなる絆」 登場人物
http://www.nhk.or.jp/dodra/harukanaru/cast/index.html
このドラマは城戸さんが10年かけて出版した『あの戦争から遠く離れて』を読んだ岡崎栄さんが制作したものだが、「ドラマ」であり事実とは違うところもある。一番違うところがどうもこの恋人役の存在で岡崎さんの創作らしい。
城戸さんが本を執筆中からそれを支えてきたのが夫の諭さんで、ドラマ化するとき岡崎さんからこういう設定にしたいと聞いていたという。
仮に事実であったらと聞いてみたら諭さんは「それはそれで彼女の人生だから」と余裕ある?答えが帰ってきた。
岡崎さんはこの本を読んですぐにドラマ化の電話をかけてきたらしく「遙かなる絆」というタイトルも岡崎さんが考えた。原作者や当事者の思いを大切に受け止めてドラマ化してくれており、父の幹さんも喜んでいるという。ちなみに日本側の当事者はすべて実名で登場している。
岡崎栄さんは 「大地の子」を作った人だが、東京教育大学文学部の先輩だ。学生文化会というサークルで活躍されたという。何となくうれしくなる。
岡崎栄さん
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20090507et08.htm
○牡丹江駅 母子の別れ
いよいよ列車が牡丹江駅を出るという場面で養母の付淑琴さんが「玉福行かないで!」と叫ぶ場面があるが実際はどうだったのか?
久枝さんはもちろん見たわけではない。本の中ではこう書いている。
「駅のホームで列車を待つ間、淑琴は玉福の手を握りしめて泣いていた。そしてホームに列車が入ってきたとき、淑琴は腰が抜けて崩れ落ちるように座り込んだ。悲しみの余り体中の力が抜けて立つことができない淑琴の体を、玉福は必死で支えた。
母さん、母さん、僕の母さん、僕はこんなに母さんを悲しませているのかー細い淑琴の体を抱きかかえながら、玉福の胸のなかには二十数年ともに過ごした日々のことが次々に浮かび、涙をこらえることが出来なかった。(略)
いまにも倒れそうな自分の養母から手を離すことが出来ない。玉福は養母をさらに強く抱きしめた。こんなにつらいのなら、いっそ中国に残ってもいいーそんな考えが、一瞬、玉福の頭をかすめた。(略)」
同じ場面はお父さんの本(「<孫玉福>39年目の真実」)ではこうなっている。
母は泣きながら、意識朦朧として倒れかかっていた。
「ママー!」
私は両手で母を抱え、大声で叫び続けた。
「乗れ、乗れや!」
わずかに開けた母の目が優しく私を見た。
「乗れや!」
もう一回母は言った。
こちらが本当のことだったと思われる。久枝さんは本を書いたときにはよくわかっていなかったが後にお父さんが「本当は行かないでと言いたいのに行けと言ったのが心に深く残っている」と聞いたという。
「行かないで!」という叫びは実際にはなかった。「乗れ、乗れや!」という遙かに苦しいわが子を思う言葉が発せられていたのであろう。
○やがて「残留孤児」やその妻の方々が発言するようになった。日本に帰ってきてからの苦しい体験や老後への不安を激しく語る人がいる。一昨年から始まった国民年金の支給などの新施策を受けられない人もいる。中国語だから僕には解らないが城戸さんにはきちんと伝わっているようだ。
ものが書ける人に対する期待が言わせる言葉だろう。城戸さんは「残留孤児」の人々の裁判闘争に関わって実情を理解するようになったが、ノンフィクションライターとしてのこれからの活動の中でこれらの人々の老後問題について書いていきたいと考えているようだ。
僕に出来ることは楽しい旅の計画を立てることぐらいだが皆さんの話に耳を傾けているとこの人たちが抱える生活上の課題や不安に改めて気づかされる。
9時半になったので今回の交流はここまでということにし、城戸さんの取材要請があったら誰もが喜んで協力することを確認する。
僕はその後も11時過ぎまでロビーで有志の方々と交流した。日頃、あちこちを歩いたり、サイクリングしたりしているから、ばてることはなかった。
動画「遙かなる絆」
http://videonavi.blog66.fc2.com/blog-entry-1939.html