5月11日(土)曇雨
twitterの記事で「原発を止めたまち」という記念碑があることを知った。
三重県南島町(なんとうちょう)。今は町村合併で南伊勢町となっている。旧役場の前に建っているらしい。
芦浜 この美しい浜を買収して中部電力が原発を建てようとした。1963年~2000。
「南島」は4月4日に通ったばかりである。芦浜は隔絶された別天地だから行けないが、旧役場には立ち寄れたはずだ。行き当たりばったりの旅の落とし穴。
町の名で立てられた「原発阻止の碑」。こんなものがこの国のほかの地域にもあるのだろうか?原発を誘致してひどい目にあっても、被害者面しか見せない福島県双葉郡の町長や性懲りもなく原発建設にこだわる山口県上関の町長や町議たちに見せてやりたいものだ。
南島町は37年間、一貫して反対し続けた。それでも芦浜に漁業権を持つ「古和浦」漁協の漁師たちは中部電力の札束攻勢に引き裂かれ、村はずたずたになったという。「37年間の負担と苦悩」という言葉にこめられている万感の思いを想像する力を持ちたい。
電力会社を中軸とする原子力村のやりたい放題は3・11以後も何の変化もない。目を付けられた町や村はよほどの覚悟を定めてことに当たらなければならない。南島町の建てた記念碑は誇らしい勝利の記念碑であり、今を誠実に生きようとする人びとへの何よりの励ましだ。
南島町は美しい入り江の続くまちである。古和浦・方座浦・神前浦(かみざきうら)・奈屋浦・贄浦(にえうら)・慥柄浦(たしからうら)・阿曽浦。南島七浦。
奈屋浦近くの公園で昼食にした。このまちの出身だという河村瑞賢の銅像があり祖母に連れられた可愛い女の子の姿があった。日本中の古墳を調査する技師とも一緒になった。美しい風景に誘われてこの道(国道260)に入り込んだと言っていた。
新桑竃(さらくわ・がま) 栃木竃 道行竃 などという集落にも出会った。不思議に思って調べてみると平家の落人の集落で塩竃を炊いて生計を立てたことに由来するらしい。南島八ヶ竃。
こんな歴史を知ったからには今度またゆっくり訪ねてみたいと思う。
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