突然、頭の中に〈はろるど〉という言葉が浮かんできた。
なぜに、今?
はて……何度考えてもさっぱりわからない。わからない自分にいら立つ。どこかで目にしたのだろうか?誰かが口にしたのだろうか?
もしかしたら、新しいストーリーに出てくる人物の名前をこれにしなさいという思し召しか?(笑)
行き詰まりつつも前に進む、物語を作るというのは産みの苦しみを感じるということでもあるが、ここずっと前に進めず、頭の中が空っぽになったのかと思えるほどのわたしだった。とにもかくにも文字を一文字でも書けたらいいのに。〈はろるど〉は、そんなわたしの救世主になるのかもしれない。などとうそぶいてみる。
小説というにはおこがましくて、書いているなどとは言えない代物だが、書きあげたときの満足感は何ものにも代えがたい。その喜びを味わったのはつい二年前だった。長い間、自分には小説など書けないと思いこんでいて、頭の中にあるあるストーリーが離れなかったのに、書くことを拒む自分がいた。それがなぜなのか、おぼろげながらわかる気がする。自分に足かせをしているのだ。こんなことを書いてはだめだ、誰も良しとしないだろうこんなものは、と自分が何かに挑むことを足踏みさせる自分がいたのだ。誰に見せるわけでもなく、自分で読むだけなのに……そんなことすら考え込む自分の姿があった。それがどこかでプッツン。無我夢中で書きあげた冬だった。今も読み返せば、あちこちほころびだらけで、穴があったら入りたいぐらいの代物だ。でもなんというか愛着がある。初めて書きあげた小説って、こんなにも愛おしいものなの?
それから物語を書くことに躊躇する自分は消えて行った。少しずつあれこれと書き、途中までとか、最初だけとか、いまだに完成しないものがある。それをいつ完成するのかは、風任せ(笑)。今は一つの物に向かっている。
でも、その中に〈はろるど〉が登場するわけはないんだなぁ。待てよ、別にはろるどが人間じゃなくてもいいじゃないか。そうか、そういうことか……
ひとりほくそ笑む。
〈はろるど〉
棚の上に鎮座している置物にだって〈はろるど〉という名前をつけてもいい。そういえば、あの犬の置物。どこかとぼけた顔の犬。はろるど!って呼ぼう。
なんのことはない。物語の登場人物でもなんでもなく、ただ置物の名前にするために頭に浮かんだにすぎないのか?
〈はろるど〉よ。
いや、たぶんこの犬が出てくる話になるのだろう。
なぜに、今?
はて……何度考えてもさっぱりわからない。わからない自分にいら立つ。どこかで目にしたのだろうか?誰かが口にしたのだろうか?
もしかしたら、新しいストーリーに出てくる人物の名前をこれにしなさいという思し召しか?(笑)
行き詰まりつつも前に進む、物語を作るというのは産みの苦しみを感じるということでもあるが、ここずっと前に進めず、頭の中が空っぽになったのかと思えるほどのわたしだった。とにもかくにも文字を一文字でも書けたらいいのに。〈はろるど〉は、そんなわたしの救世主になるのかもしれない。などとうそぶいてみる。
小説というにはおこがましくて、書いているなどとは言えない代物だが、書きあげたときの満足感は何ものにも代えがたい。その喜びを味わったのはつい二年前だった。長い間、自分には小説など書けないと思いこんでいて、頭の中にあるあるストーリーが離れなかったのに、書くことを拒む自分がいた。それがなぜなのか、おぼろげながらわかる気がする。自分に足かせをしているのだ。こんなことを書いてはだめだ、誰も良しとしないだろうこんなものは、と自分が何かに挑むことを足踏みさせる自分がいたのだ。誰に見せるわけでもなく、自分で読むだけなのに……そんなことすら考え込む自分の姿があった。それがどこかでプッツン。無我夢中で書きあげた冬だった。今も読み返せば、あちこちほころびだらけで、穴があったら入りたいぐらいの代物だ。でもなんというか愛着がある。初めて書きあげた小説って、こんなにも愛おしいものなの?
それから物語を書くことに躊躇する自分は消えて行った。少しずつあれこれと書き、途中までとか、最初だけとか、いまだに完成しないものがある。それをいつ完成するのかは、風任せ(笑)。今は一つの物に向かっている。
でも、その中に〈はろるど〉が登場するわけはないんだなぁ。待てよ、別にはろるどが人間じゃなくてもいいじゃないか。そうか、そういうことか……
ひとりほくそ笑む。
〈はろるど〉
棚の上に鎮座している置物にだって〈はろるど〉という名前をつけてもいい。そういえば、あの犬の置物。どこかとぼけた顔の犬。はろるど!って呼ぼう。
なんのことはない。物語の登場人物でもなんでもなく、ただ置物の名前にするために頭に浮かんだにすぎないのか?
〈はろるど〉よ。
いや、たぶんこの犬が出てくる話になるのだろう。