心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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ぞぞぞとすること

2017年02月23日 | ほんのすこし
わたしは背中がぞぞぞとするほど苦手なことがある。
それは高いところに立つということ。
へばりついて上がっていってそのまま座っているのはなんとかできるかもしれない。学生の頃、寮に入っていて友人と寮の屋根に登ってギターを弾いたのは、一体どうやって行ったのか今もってしても不可解で仕方が無い。まあそんなに高い屋根ではなかったのだろう。

普段の生活でも脚立に登るのも本当はしたくない。
頼まれて渋々上がって高いカーテンを下ろしたり、ストーブの煙突をはずしたりするけど、外で塀に登って剪定したりするのはできれば御免被りたい。
狭い塀に立つなんて考えただけでも恐ろしい。背中がぞぞぞとしてくる。

今はそれでも良くなった方だが、若い頃は屋上から見下ろしたり、高層階のあるガラスばりのエレベーターに乗って外を見ながら昇降・下降するなんて考えただけでも嫌になったものだ。だからそういうエレベーターではなるべく外を見ないようにする。
だから遊園地で観覧車に乗るなんて絶対無理。
あの高いてっぺんでもしかして機械が故障して止まったら?
そんなこと普段はあり得ないだろうけど、もしあったら? ぎゃー、無理無理!
だからね、ドラマで遊園地の観覧車に乗って一番上で告白したりして二人がときめくなんてシチュエーションはドラマだから見ているのであって、現実にあってはならないの、わたしの場合。
といってももうこの年だし、年のことからして絶対あり得ないシチュエーションだけどね(笑)。スキー場のリフトは最初慣れるのに時間がかかった。最初の頃、一度リフトからずり落ちそうになったまま最後まで乗っていったことがあった。あのときは生きた心地がしなかった。だから設備の悪いところのリフトに乗るのは嫌だ。フードつきのリフトなら全然大丈夫、余裕だけどね。

遊園地の観覧車とかなんであんな高いものを作るんだろ。
でも高くても下が見えなければ大丈夫。見えなければ乗る意味がないけど。
それが、中国ですごい高い所を通るガラスのようになった吊り橋? ができたって以前ニュースで紹介していたけど、なんであんなものを作るの?! って思わずテレビに文句言ってしまったよ。
ぜーったい無理。一歩も動けないよ。
下の崖みたいなところが足下に見えるんだよ。透明なところを歩いて行くんだよ。
あぁ、考えただけでぞぞぞとなる。

って、考えなけりゃいいって話なんだけどね。

なんでこんなに高いところ苦手になってしまったんだろうね。最初から?
たぶん、小さい頃の経験かなあ。
幼い頃まだ4歳か5歳とかそのくらいのことだと思うけど、母の実家に行くとその当時は白のまだらの馬を飼っていて、それが4歳ぐらいの私にはとてつもなく巨大に見えて。
あるとき伯父さんがひょいと抱き上げてわたしをその馬の上に乗せた。わたしはまさかまさかの展開にパニクって怖くて怖くて怖じ気づいていた。でもあまりに怖かったのでびっくりして声も出ず、泣くに泣けなかった。伯父さんはわたしが黙っていたのでいいかと思ったのかちょっとの間そのままにした。もちろん馬を押さえていたのだが。わたしの顔がひきつるのを見てようやく伯父さんは高い馬の背から下ろした。
その後、馬はいなくなったが、いつ伯父さんがまた乗せようとするかとびくびくしていたことを思い出す。

馬の背中から見下ろすと地面は遙か下に見えた。
高いって怖いんだ。
周りに何もないって怖いんだ。
それがずっとわたしについて回っている気がする。
そんなわたしに恐怖の体験をさせた伯父さんはとうの昔に高い空の人になってしまった。
きっとわたしにそんなことをしたことさえコロッと忘れているに違いない。