
非常に面白い。
また、1962年当時の東京のサラ
リーマンの様子と東京の街が窺
い知れるのも良い。
横浜磯子の横浜プリンスホテル
(当時。旧伏見宮伯爵邸)から観る
当時の磯子の海岸線と自然絶壁
も見られる。
都内のシーンは銀座だけでなく
恵比寿駅前なども出て来る。
それと目白あたりも。
恵比寿は丁度私がすぐ近所の上
目黒に住んでいた頃の街並みが
映っている。
こうしてカラー作品で観ると、
タイムスリップしたような感覚
になる。
物語は超テキトーな詐欺師のよ
うな無責任男がとんとん拍子で
成功を収める荒唐無稽な話だが、
このクレージーキャッツの第一
作目は、当時の昭和元禄の開始
を象徴し、また、その後の日本
の新ギャグの基礎となった。
本作はあらゆる意味で貴重な映
画であるのだが、何よりも面白い。
有名映画監督は公開当時これを
観て、どうしてこんなに面白い
のだろうと悩んだらしい。
本筋の痛快娯楽作品です。
テケトン大魔王みたいな男が主人
公で、実際にはそんなに世の中
うまく行くわきゃねーだろ、なの
だが、私が生まれた2年後あたり
には、東京にはこうしたムードが
満ちて来た時期で、世の中は景気
爆発上昇突入時代だ。
当時の風俗や気風も描かれている
ので、61年後の今観ていても単純
に映画としても、歴史的文化探訪
としても面白い。
今は失われた人々の心の豊かさが
あった。
生活は厳しくとも、今よりもずっ
と日本の人々は豊かだった。