渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

楽器やビリヤードキューのクリアコーティング

2023年05月02日 | open



木製家具などのクリア塗装では
防護的な観点からはウレタン等
が特性的にはかなり優れている。
ところが、ビリヤードキューや
楽器のように木部の振動が機能
に影響する物の場合、単に塗膜
の防護性の良し悪しのみでクリ
コートのニス等の種類の良し悪
しを語る事はでき
ない。
ビリヤードのキューにおいては
木部を動かすのか固めるのか、
木を殺すのか活かすのかでクリア
の塗膜の種類を選択する必要が
ある。
楽器でもヴァイオリンなどは
ニス
の種類と塗り方如何で音質
変わるので、専門職人でないと
ヴァイオリンのリフィニッシュ
はできない。

ビリヤードキューの場合、日本
国内のリペアショップではウレ
タン吹き一辺倒である傾向が

強いので、たとえばTADキュー
のように、ヴァイオリンのよう
ニスにこだわっている製作者
作品の本当のリペアはできて
いないと思われる。
日本国内と米国の一部では、
ただ表面をきれいな透明コー
ティングができるとリペアで
あるとする傾向が異様に強い。
これは楽器の世界からしたら
あり得ない事なのだが、実は
ビリヤードのキューという動き
を重要視する道具のリペアと
しても、本来はあり得ない事
であるのだ。
だが、見かけが綺麗になれば
リフィニッシュ完了とする
業者が日米でも多すぎる。
製作者と同じ方法でのクリア
コートでないと本当のリペア
にはならない。
ヴァイオリン等の楽器の高度な
技法や発想や取り組み姿勢に
ビリヤードキューを手掛ける
人たちも学んだ方がいいと
思われる。


<ニスの色と音についての
専門家の解説>

ヴァイオリン・選び方・ニスの色
と音は関係あるか・経年変化・
赤い色素・褪色 | サラサーテ

 


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