渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

空冷スクーターの冷却

2025年02月14日 | open



この画像は始動テストの時の
ものなので、エンジン右側の
アウタカバ
ーを外している。
だが、このまま走行はできな
い。
なぜならば、空冷スクーター
の場合、奥まった位置にある
エンジンにクランク軸の回転
に合わせてファンにより強制
送風する事によって冷却する
からだ。
そのためには、ケースカバー
の中で冷却空気を回り込ませ
てエンジンのシリンダとシリ
ンダヘ
ッドに風をあてる。
ケース内部を循環した風は掃
気ポート付近から外部に自然
に外気との負圧差によって吸
い出されるように排出
される。
なので、フィンの周囲に風が
壁に当たって巡りまわるアウ
タケー
スが無いとエンジンに
風が適切に当
たらない。

こうした空冷スクーターの扇
風機のようなファンはエンジ
ンの左右に着いている。
右側はエンジン強制冷却の送
風の為
のファン。
左側はVベルトを冷却させる
ための送風フィンだ。


特に右側の空冷用のファンは
エンジンの圧縮比を上げたり、
ボアアップしたりして熱量が
上がったならば、送風力が高
いパーツに交換する必要も出
てくる

だが、送風力が高いという事
は回転に対する抵抗が増える
という事でもあり、クランク
軸の高速度回
転の抑えになっ
てしまう。

そのあたりは、社外パーツの
ファン構造や重量によって差
が出て
来る。
やたらと風量アップの
みに主
軸を置くと、今度はエ
ンジン
の高回転域の抵抗にな
ってし
まうという物理現象が
発生す
る。

もう一つ重要な事は、冷却部
絶妙に空力設計してある二
メーカーのケース内部で、
適正
流速と気流循環の流れを
促進する
か阻害するかの要因
にプラグ
キャップの形状があ
る。

ノーマルのプラグキャップが
笠状になっているのは、エン
ジンのアウタケース内部の空
気の流れをスムーズにすると
いう効果を得るためだ。
よくあるストレート笠無しタ
イプのレーシングキャップ等
をスクーターに装着してしま
うと、そのケース内部の空気
の流れの効果を阻害する現象
も発生する。プラグ周辺に穴
が空いてしまって漏れが生じ
気流が乱れ
るからだ。
結果として、風がよく当たら
ずにエンジンの左側のみ
が冷
却不足を起こすという現
象が
発生する。これは熱に対する
冷却システムに不具合を生じ
させたりする。
プラグキャップは空冷スクー
ターの場合は、ノーマルタイ
プの笠付きでヘッドを覆う物
のほうが二輪メーカーの初期
設計を崩さないので、選択肢
としては好ましいだろう。


 



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