渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

富士ラビットスクーター

2025年02月14日 | open



この富士産業(現スバル)が1968
年まで発売した大人気スクーター
は、サスペンションに「空気ば
ね」を使っている。つまりエア
サス。
空気圧入式なので、結構空気漏
れしたようだ。

一時期、消防庁に積極的に導入
された救急車にベンツのエアサ
ス仕様があった。
一度乗った事があるが、非常に
滑らかな緩衝性で、まるで空の
上を飛んでいるようだった。
否、飛行機のほうが微振動を
感じさせるような、そんな乗り
心地。
ただ、クイックリーでアグレッ
シブな走りはできないだろうと
感じさせた。

この富士ラビットは、ヤマハが

開発普及させた分離給油方式で
はないので、2ストオイルをガ
ソリンに混合させた燃料を使っ
ていた。
今でもガソリンスタンドで頼む
と何対何でと指定して混合ガス
を作ってくれる。
船舶用の2ストエンジンなどは
混合ガソリンを使うので、提供
サービスは今も存在する。
ラビットの場合は25:1指定と
かなり濃い目。
2ストレーサーの場合、オイル
とセッティングにもよるが、
60:1~80:1あたりまで薄い
混合ガソリンを使う。
ポリタンに適正配合して2スト
オイルとレーシングガソリン
を入れて、シャカシャカとタ
ンクを振って混合させていた。
1976年時点で、富士スピード
ウェイのレーシングガソリン
は150円/ℓだった。
一般公道レギュラーガソリン
が115円程度の頃。

岡山県笠岡市のモトカフェの
「Z-YARD」のマスターの愛車
の中にこの富士ラビットスク
ーターがある。
乗り出す時には、毎回混合ガ
ソリンを作って給油している(笑
そうした手間も楽しみの一つ
のようだ。


1946年から1968年まで製造。
富士重工は中島飛行機が社名
変更した会社だ。
中島時代には一式戦闘機「隼」、
二式戦闘機「鍾馗」、四式戦
闘機「疾風」(こいつは強い)等
を製造していた。大型爆撃機
の「富嶽」も。
富士重工の現在の社名はスバル。


完全フルレストアされて、
いつでも走れる状態にある。
実際にヤードのマスターは
これを足としている。


状態は最高の状態。








ガソリンタンク部。


マスター曰く、このノブの
デザインは富士山だろうと
のこと。


オリジナルキー。


かなり綺麗な状態で動態保存
している。実用に供している
から「動態保存」ではないか。





 


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