たとえスクーターであろう
とも、こういう乗り方が高
速度旋回においては正しい。
私の125ベスパやイエローナ
ンバービーノでもそうだが、
リーンウイズで旋回しよう
とすると、センタースタンド
や車体下部のカバーを路面
にこすってしまう。
こすらないバンク角でハイ
レベル適正旋回しようとし
たら、物理的に重心はイン
に落とす必要がある。
膝などはあえてわざと擦ら
なくてもよいが、バンク角
が深くなるといやがおうで
も路面に外膝とふくらはぎ
上部外側をこすってしまう。
脚部をすらないように閉じ
るとバランスが悪い。
さらに尻を車体中央に位置
させるリーンウイズだとバ
ンク角が深くなりすぎて車
体を路面にこすってしまう。
車体の路面こすりは最悪で
下手したら後軸が浮き、あ
るいはサスへの荷重が抜け
てトラクション=路面から
の牽引力=という密度の高
い接地性が瞬時に減衰して
即転倒する。
ハング走法について、膝を
路面に擦るためとか考えて
いる人間は二輪のド素人だ。
イン側の膝は路面にこする
ために開くのではない。
バランスのためだ。
また、この乗り方の魁であ
るケニー・ロバーツやフレ
ディ・スペンサーがそうで
あったが、パンタグラフの
ようにパタパタと閉じたり
開いたりして旋回バンク時
のバランスを取り、かつセ
ンサーの役目もする。
この1960年代初期に発明開
発された二輪の乗り方は、
1972年にヤーノ・サーリネ
ンが普及させ、1970年代後
半にケニー・ロバーツが完
成させ、1980年代初期にフ
レディ・スペンサーがさら
に発展させた。
21世紀2025年の現在でも、
このハングフォームは二輪
走法技術の理論的物理的な
支柱となっている。
MotoGPだけでなく、すべ
ての「最適速度で円滑高速
旋回走行する」二輪の乗り
屋たちはこの乗り方をして
いる。
日本の白バイはイン側の膝
は開かないが、白バイとて
完全にハングフォームで重
心をインに移動させて腰を
入れて高速度旋回を実行し
ている。
この乗り方は舗装路を走る
二輪車のセオリーであるの
だ。