く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ショウロウクサギ(臭木)> 九州や沖縄に自生するクサギの変種

2018年09月21日 | 花の四季

【若葉は「クサギナ」「クサジナ」と呼ばれ食用に】

 四国や九州の南部、沖縄、朝鮮半島、フィリピンなどに自生するシソ科(旧クマツヅラ科)クサギ属の落葉木。枝や葉に独特な臭気があることからその名が付いたクサギ(臭木)の変種で、8~10月頃、枝先や葉腋から集散花序を伸ばし芳香のある白い花を付ける。花径は3cmほどの筒状で、プロペラのように先が5枚に細く裂け、真ん中から長い雄しべ、雌しべが突き出す。花後にできる丸い実は熟すと青紫になり、星形の紅色の萼(がく)の上にちょこんと乗る。

 ショウロウクサギは葉が大きい三角状の卵形で、葉先が鋭く尖るのが特徴。「ショウロウ」の語源や由来は不明だが、「ショウロクサギ(松露臭木)」と呼ばれることもある。学名はクサギを表す「Clerodendoron trichotomum Thunb.(クレドデンドロン・トリコトムム・ツンベリー)」の後に「var esculentum(エスクレントゥム) Makino」と続く。「var」は変種のこと、「エスクレントゥム」は「食べられる」を意味する。その後ろの「Makino」は多くの新種や変種を発見した植物学者、牧野富太郎博士の名前からだろう。

 ショウロウクサギの葉や枝は同じ変種のアマクサギ同様、クサギほどには臭みがないという。クサギは新芽や若葉を乾燥すると悪臭が消え独特な風味が生まれる。このため全国各地で春~初夏の山菜「クサギナ」として親しまれ、汁物の具や油炒め、炊き込みご飯などに利用されてきた。クサギといえばほぼショウロウクサギを指す沖縄地方でも「クサギナ」や「クサジナ」と呼ばれる。語尾の「ナ」はもちろん菜っ葉の「菜」で、花や若葉がてんぷらや和え物、おじや(雑炊)などとして食されてきた。

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